2015 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット変換に基づく心電図波形の高精度識別システムの実用化に向けた検証
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25420443
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大屋 英稔 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (30361835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 和司 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90136531)
山口 芳裕 杏林大学, 医学部, 教授 (10210379)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高精度識別システム / 心室細動 / 心室頻拍 / 無脈静電気活動 / 正常洞調律 / 除細動 / ウェーブレット解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では,突然の心停止による死者数が年間に約3万人に上るといわれており,火災による死者数1,006人(平成26年度結果,消防庁調べ)や交通事故による死者数4,113 人(平成26年度結果,警察庁調べ)に比べて非常に多い状況にある。突然の心停止は,心室細動などの重症不整脈が主な原因である。このような重症不整脈には,早期の電気的除細動(以下,「除細動」と記す) が有効であることが知られており,自動除細動器(AED(Automated External Defibrillator))が空港,駅,教育機関などに設置されるようになった。AEDは,心停止患者の心電図波形を識別し,除細動を適用すべきか否かを判定する機能を有する装置であるが,2[Hz]以下の心室頻拍や心電図波形がある状態から別の状態に遷移した場合などには識別が困難であることなど,改善の余地も残されている。申請者らは,平成22年度から3年間にわたり,「ウェーブレット解析に基づく心電図波形の高精度識別システムの構築」(基盤研究(C))に取り組み,これまで識別が困難で心電図波形に対しても柔軟に対応できるシステムを構築した。 本研究の目的は,これまでに開発を進めてきた心電図波形の高精度識別システムの実用化に向けた検証を行うことより,心肺停止患者の蘇生率向上に寄与することを主たる目的としている。また,心電図波形の状態遷移と患者(生体)の状態,特に自己心拍再開例についても解析し,その関連性と評価方法を検討した。その結果,実際の医療現場で高精度識別システムを検証し,より実用的なシステムとすることが出来たという意味で主たる研究目的を達成することができた。また,除細動適用後の自己心拍再開(除細動成功),あるいは心静止(除細動失敗)についても検討し,継続して検討する必要はあるものの今後の研究の方向性を定める重要な研究成果を得ることができた。
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Research Products
(1 results)