2013 Fiscal Year Research-status Report
簡易内部モデル制御系の一般化と胃瘻用送気球自動操作装置の開発
Project/Area Number |
25420453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 伸明 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60186757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 亮一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50319042)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 制御理論 / 制御応用 / 看護支援 |
Research Abstract |
本研究は、力センサレスで制御を行う新たな制御系の構成法を提案し、これを応用すすことを目的としている。具体的には、未知入力(外乱)の推定と未知入力(外乱)系の状態オブザーバについて、最小位相系(零点が安定)以外にも適用できる汎用性ある構成法の確立、及び未知入力の推定技術を応用し、新たな制御系設計法の確立を目指すものである。また、提案する制御系設計法が実システムに応用可能であることを確認するために、看護の現場で要望されている胃瘻用の送気球自動補助装置に提案手法をプログラムとして実装し、実験的検証を行う。 制御系設計については、「一般化安定化補償器を改良した汎用性のある未知入力推定及びフィルターの設計」、「未知入力推定法の汎用性ある状態推定器の構成方法の検討」、「未知入力の推定と状態推定による力検出方法の検討」を行い、制御理論の基礎的な部分を確立することができた。また、シミュレーションにより提案する制御理論の有効性を確認した。 実験検証については「胃瘻用送気球自動操作装置の基本設計」、「駆動方式、並びに力の制御を考慮した詳細設計と機構部分の詳細設計」、「機構部分の試作と動作の確認」を行った。あわせて、「駆動回路及びフィルタ回路の設計」を行い、第一次試作機を完成した。 提案する制御理論のプログラムの実装、および第一次試作機による実験検証を行うことが今後の課題であり、第一次試作機の改善を含め、第二次試作機の完成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
制御系設計については、一般化安定化補償器を改良した汎用性のある状態推定器の構成法について検討を行い、シミュレーションにより提案する制御理論の有効性を確認することができた。研究成果の一部を、システム制御情報学会研究発表講演会において発表した。 また、胃瘻用送気球自動操作装置の基本設計を行い、第一次試作機を完成した。提案する制御理論の実装および実験検証することが今後の課題である。提案する制御プログラムを実装していない装置については、看護理工学会において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、一般化安定化補償器を改良した汎用性のある未知入力推定及びフィルターの設計、未知入力推定法の汎用性ある状態推定器の構成方法の検討、未知入力の推定と状態推定による力検出法の検討を進め、制御理論の確立を目指す。 未知入力の再構成と状態推定について、近似を導入した際の評価や、未知入力推定誤差を低減するためのフィルタ構成法を提案するとともに、未知入力の推定値と状態推定値を利用した外乱抑制や目標追従等の制御系を、より一般的な対象まで適用できるよう構成する。 理論の有効性を確認するため、第一次試作機の制御プログラムとして実装し、加圧制御の実現と、一定加圧後動作を停止することができることを確認する。更には、装置の設計見直しと改良を加え、第二次試作機を完成させるとともに、所望の最適動作を実現するよう実験データを収集し、確実で安全な装置を構成することを目標とする。 加圧バック内の圧力が変動しても確実に加圧ができ、使用者である看護師からの評価も得てそれらをもとに改善し、実用化レベルでの装置に仕上げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第一次試作機の仕様の決定が当初計画より少し遅れ、購入予定品であった、データ収録装置一式、駆動ドライバ、計測制御用パソコンを購入しなかったため。 (第一次試作本体は完成しているが、制御システムとの統合ができていない) 第一次試作機の動作の確認ができたため、制御プログラムの実装及び評価を行う専用の計測制御用パソコン、データ収録装置一式(カウンタ、マルチIOボード他)、モータ及び駆動ドライバの購入費に充てる。
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