2014 Fiscal Year Research-status Report
イデアルに基づくテイラー展開を利用したサンプル値制御系設計の新展開
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25420455
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
十河 拓也 中部大学, 工学部, 教授 (40273487)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デジタル制御 / システム同定 / 適応制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの記号計算実験と理論的研究を引き続きすすめるとともに,得られたテイラー展開式を利用したサンプル値系伝達関数の同定からの連続時間伝達関数の同定または,もとの連続時間系との関係式を有機的に活用したサンプル値系のオンライン同定法の研究を進めた.その具体的な対象例としてDCモータのサンプル値制御系を取り上げ,シミュレーション実験により検証を行った.研究代表者はこれまでの研究で,不安定零点の問題があったDCモータの0 次ホールドによるサンプル値系について2つの自由パラメータをもつフィルタを直列結合することで零点を再配置できることを示し,極零相殺を行うフィードフォワード制御実験に成功していたが,この応用例についてサンプル値伝達関数の係数のテイラー展開式にもとづいてサンプルデータからDCモータおよび駆動する機械系のパラメータを同定するアルゴリズムを開発を試みた.この際,テイラー展開式の何次項までを利用するべきか,数値シミュレーションによる検証を行った.そして,その結果に基づきオンラインでのパラメータ同定および適応制御アルゴリズムの開発について検討した.
一方,記号計算実験には当初,数式処理ソフトウエアに含まれる汎用のグレーブナー基底関連パッケージツールをそのまま利用していたが,高次の例題の計算に取り掛かるとその汎用ツールをそのまま利用するのは非効率であることも考え,この研究課題にあわせて計算アルゴリズムを改良・調整し,サブルーチン(関数)として実装し利用することを目指した研究を始めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ研究計画どおり前年度までに得られたテイラー展開式を利用したサンプル値系伝達関数の同定からの連続時間伝達関数の同定方法について検討を行い,シミュレーション実験により有効性が確認できたため上記の達成度とした.
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Strategy for Future Research Activity |
離散時間入出力データからもとの連続時間伝達関数を同定する問題を評価関数の最小化問題とみなし,この問題についてすでに知られている様々なアルゴリズムの応用についてシミュレーション実験を繰り返して検証をおこなっていく.
また,サンプル値系伝達関数の係数のテイラー展開式の計算法について汎用のグレーブナー基底関連アルゴリズムを直接利用しないこの問題に特化したより効率的な記号計算アルゴリズムの開発を行っていく.
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Causes of Carryover |
購入予定だったパーソナルコンピュータに価格変動が生じたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1万円以下の金額ではあるが,翌年度分の設備備品費または消耗品費の一部として有効活用する.
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Research Products
(3 results)