2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420469
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
添田 政司 福岡大学, 工学部, 教授 (50148871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫨原 弘貴 福岡大学, 工学部, 助教 (70580182)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 亜硝酸塩 / 塩化物イオン / 鉄筋腐食 / 自然電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
コンクリート構造物の劣化が顕在化し,補修による維持管理が多数行われており,その中でも断面修復工法が適用される場合が多くある.ただし,鉄筋がはつりだせない場合や防錆材を鉄筋端部にまで塗装できていない場合,既存部とのマクロセルにより再劣化することが危惧されている.この様な中で,予め断面修復材として使用するPCMに亜硝酸塩を添加することで防錆性能を高める取り組みを検討している.前年度は,防錆性能の向上以外にも,モルタル自体への強度の増進や劣化因子に対する抵抗性が高まることを報告している.当該年度は,亜硝酸塩がPCMの防錆性に与える影響については,より定量的に評価した.以下の研究成果について得ることができた.1)亜硝酸塩を添加した断面修復材を用いた場合には,境界部におけるマクロセル腐食を抑制できる可能性が示唆されたが,亜硝酸塩が拡散していない箇所で局部腐食が発生する可能性がある.2)亜硝酸塩の添加量を増やすことで腐食発生までの期間を長くすることができる.ただし,添加量を増やしすぎると腐食発生限界塩化物イオン量は低下する傾向を示した.3)亜硝酸塩の種類に拘らず, 腐食発生時のCl-/NO2-は,濃度が高くなるに従って減少していくことが確認された.濃度が高い範囲では,概ね1.2~1.8であった.4)亜硝酸塩を添加した防錆モルタルの腐食発生時期を予測する場合には,Cl-/NO2-以外の亜硝酸塩の種類による含水状態の違いを考慮する必要があることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた計画に沿って、概ね順調に研究を展開できた。また、次年度に予定していた研究に対しての十分な知見を得ることができており,事前の検討を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
亜硝酸塩がモルタル中での鉄筋防錆効果をより明確にするために,細孔模擬溶液を用いて電気化学的に評価する.具体的には,防錆効果に及ぼすCl/NO2,pH,温度等の影響要因を抽出し,それらが与える影響を定量的に評価する。また,断面修復工法に亜硝酸塩入りモルタルを使用した場合に,既存部との界面部で生じるマクロセルに対する防錆性能を明らかにする.
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Causes of Carryover |
当初予定していた学会に、日程の都合上で参加ができなかった。そのための旅費が次年度への使用額として生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果として報告するための学会への旅費として使用する。
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