2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420472
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
前野 祐二 鹿児島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20190316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 めぐみ 鹿児島工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40190722)
池田 正利 鹿児島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60176104)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | しらす / 透水 / 舗装 / セメント |
Research Abstract |
本研究は、しらすを主原料とした舗装の開発である。そこで本年は、細粒分とセメントの化学反応性を明らかにすることと、粗粒分のしらすで透水性硬化体を作製することを試みた。その結果、シラスとセメントを混合することによりポゾラン反応あり、その反応による硬化体強度は、フライアッシュ(石炭)と同程度であることが分かった。また、耐久性においてもC-S-Hの生成量が多いことから優れたものであることが分かった。つぎに粗粒分のしらすの分級篩の検討を行い、なるべく粒径が小さいが透水性は維持できる篩を、試行錯誤して決めることができた。この粗粒分のしらすとセメントを混合後、比較的揺詰めすることで透水性の硬化体が作製できることが分かった。透水性は比較的よく、十分実用性があるものであるが、強度が比較的弱いことが分かった。原因は透水性硬化体作製のため水和水を十分に加えることができないことが原因と考えられる。そこで、成型後、初期養生として霧吹きなどによる加水、その後水浸による水和水の補充を行い水和反応促進を図った。その結果、強度も比較的高強度硬化体が作製でき、透水性も比較的良いことが分かった。また、風化したしらすも比較的多いことから風化したしらすについても検討を行った。風化したシラスには粘土分が少量含まれているが、それでも風化したしらすの細粒分は、風化がないしらすと同等のポゾラン活性を示すことが分かった。すなわち、本研究の方法は鹿児島県の多くのしらすに適用できることが分かった。このように実用化に耐えうる透水性舗装の開発が進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
しらすから等粒しらすによる透水性舗装を作製するため、様々な分級を行い、突き固めで硬化体を作製後、透水性を確認し、粒径の最小値を明らかにすることができた。なお、振動締め固めは、流動性やサクションの影響で均一な硬化体が作製できなかった 細粒分のしらすの化学的な特性を明らかにすることは、比較的新しい入戸火砕流で堆積したしらすと風化をしたしらすの細粒分について強度試験等を行い、硬化反応の化学特性について明らかにし耐久性があることが分かった。計画に従い、ほぼ進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、実用化に向け、研究を進める。本年度は、さらに舗装板の実際に試作するとともに表層の処理について研究を行う予定である。 来年度実施工するために、分級方法については慎重に検討をしている。また、しらすは山地によりその粒度分布が異なるので、粒径としらす産地の影響も考察に加えようとしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①その他でレンタルとして差熱・熱重量同時測定装置DTG-60/60Hを計上していたが、入札などの関係でレンタル開始時期が遅れたことと当初予算より安価にレンタルできることとなった。一方、このレンタル品の使用のために校正用分銅内蔵型分析天秤と天秤用除振台を購入したが、それでも、①の理由で次年度使用額生じた。 次年度使用額が60万程度生じているが、当初計画にあるように実用的な分級装置について導入費として検討を行う。計画ではサイクロンが導入予定だけで予算を割り当てることができなかった。手作りで分級装置を作る予定であったが、かなり困難であることから導入について再度検討を行い、これに予算を割り当てる必要があると考えている。また、しらすは産地により粒度分布が大きく異なり、その特性が異なることが分かってきた。そこで、分級装置の導入、産地毎にしらすの透水舗装板の作製をおこない、その適性を明らかにする。そのため、人件費、謝金、消耗品、備品が計画より増額が欠かせない。その増額に次年度使用額を充てることが必要である。
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