2013 Fiscal Year Research-status Report
免震用積層ゴム支承の変形・最大変形依存性を考慮した拡張バイリニアモデル
Project/Area Number |
25420480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
吉田 純司 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (90345695)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 免震橋梁 / 積層ゴム支承 / 地震応答解析 / 復元力モデル / ハードニング / 最大変形依存性 / バイリニアモデル |
Research Abstract |
本研究では,橋梁の免震用積層ゴム支承を対象として,実務において広く利用されているバイリニアモデルを拡張し,支承の復元力特性が示す変形量および最大変形量への依存性を精度よくかつ簡易に再現できる力学モデルの構築を目的とする. 平成25年度は,バイリニアモデルの拡張方法を考案し,ハードニングだけを考慮したハードニングモデルと(Hモデル)と,ハードニングおよび最大変形量への依存性をともに考慮したハードニングダメージモデル(HDモデル)とを提案することができた.また,これらのモデルの整合接線係数も合わせて導出することに成功した.さらに,これらのモデルの地震応答解析における精度について検討したところ,支承のせん断ひずみが250%前後となるような大地震時において橋脚の応答が塑性域に入ると,積層ゴム支承の復元力特性が有するハードニングおよび最大変形依存性は,ともに橋脚の塑性率や支承の最大せん断ひずみに有意な影響を及ぼすことがわかった.特に,既存のバイリニアモデルで支承部の復元力をモデル化した場合には,橋脚の最大変位応答(塑性率)を過小評価し,逆に支承の最大せん断ひずみを過大評価していることがわかった.このことから,大地震時において免震橋梁の応答を精緻に予測するためには,ハードニングや最大経験ひずみ依存性を考慮したモデルの利用が望ましいといえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請時に記載した平成25年度の計画では,復元力モデルのうちハードニングのみを考慮したHモデルについてのみ検討を進める予定であったが,実際にはH25年度のうちにさらにそれを拡張したHDモデルについても構築し,かつそれらの精度の検討まで行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,まず平成25年度の成果をとりまとめ,学会等で発表すると同時に,論文としてとりまとめ,投稿することを考えている.また,併せて,提案した2つの復元力モデルを,水平2方向に対応したものに拡張し,それらのモデルの地震応答解析における精度を検討することを計画している.現時点においては,水平2方向への拡張については,古典弾塑性論を用いる方法と,微分方程式型の弾塑性モデルを拡張する方法の2つを考えている.
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