2015 Fiscal Year Annual Research Report
ルート破壊に着目した溶接継手の疲労強度評価に関する研究
| Project/Area Number |
25420481
|
|---|
| Research Institution | Nagoya University |
|---|
Principal Investigator |
舘石 和雄 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80227107)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | 疲労 / 溶接継手 / ルート破壊 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
鋼橋に生じる疲労き裂の中には，現在の疲労設計の範疇を超えたディテールや応力場に生じているものも多い．その一例が，本申請で取り上げた溶接継手のルート部からの疲労損傷である．ルートき裂に対する疲労照査法は限られた条件に対してのみしか示されておらず，汎用的に適用することのできる疲労照査法が必要である．
本研究では，未溶着部の変位を用いて，すみ肉溶接継手のルート破壊に対する疲労強度を評価する方法について検討し，以下の結論を得た．
1)ルート部周辺の要素サイズを1mm とした解析モデルから得られる，ルートから1mm 離れた未溶着部の相対変位は，継手寸法や載荷方法によらず，微細要素を用いた解析モデルから得られる値の0.9 倍程度の値となった．この結果より，ルート部周辺の要素サイズを1mm とした解析モデルから得られる，ルートから1mm離れた未溶着部の相対変位を，疲労照査に用いるパラメータとして提案した．2)荷重伝達型十字溶接継手および横突合せ溶接継手を対象としたき裂進展解析結果より，未溶着部の開口変位に，リガメント長の影響を考慮したパラメータを組み合わせることで，疲労寿命を精度よく推定できることを示した．3)荷重伝達型十字継手と横突合せ継手に対する疲労試験により求められた疲労寿命を，2)と同じ手法で整理した結果，引張載荷の場合と曲げ載荷の場合で疲労強度が異なる結果となった．未溶着部の開口変位とせん断変位とから算出される合成変位に，リガメント長の影響を考慮したパラメータを組み合わせることで，載荷方法による差はなくなり，のど断面応力で整理した場合と同程度の相関が得られた．4)面外ガセット継手に生じるルート破壊に対しても，3)の手法を適用できることが明らかとなった．
|
Research Products
(4 results)
