2014 Fiscal Year Research-status Report
維持管理を軽減するための結露の抑制と簡易評価に関する研究
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25420482
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 和寿 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40301238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆司 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50283643)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 鋼橋の結露 / 断熱塗料 / WRF |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度得られた断熱塗料の結露抑制効果を明らかにするために,小型環境試験機を用いた実験と汎用熱流体解析プログラムSTAR-CDによる解析を行い,次の結論を得た.1)断熱塗料は熱伝導率が低いため,塗料の表面から鋼板への熱移動を抑え内部の鋼板温度を下がりにくくする効果と内部の鋼板が冷えたとしても鋼板から塗料の表面への熱移動を抑え,表面温度を下がりにくくする効果があり,その結果,表面温度と外気温の温度差を小さくできることが分かった.実験と解析から,膜厚1mmの場合では裸鋼板よりも0~0.5℃,1.5mmの場合では0.5~1.0℃高くなる結果を得た.2)実験と解析から,フッ素樹脂塗料では,断熱効果を得られず,逆に温度変化が緩慢となり温度差が大きくなる結果となった.3)実験から,板厚が厚いと濡れ時間が長くなる結果を得た.したがって,I桁おいては,ウェブ部よりフランジ部の方が腐食程度が高いと推測できる. さらに,簡易に橋梁の腐食環境を把握することを目的として,腐食原因の一つである結露の発生状況に着目し,本研究では,WRFを用いた気象解析から愛知県内の気温と相対湿度から露点温度を求めて,結露が発生しやすい環境の評価を行い,以下の結論を得た.1)結露の発生しやすいのは冬季であり,夏季には10回以上結露の発生を確認出来なかった.2)相対湿度は,冬季と比較して夏季の方が高いが,露点温度も高くなることから結露の発生しにくい要因になると考えられる.3)愛知県内において南部でほぼ結露が発生することがなく,北部に多く結露が発生する.4)愛知県内において南部は北部と比較し,結露が発生しにくいのは露点温度が高くなることが要因と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
断熱塗料の結露抑制効果を明らかにするために,小型環境試験機を用いた実験と汎用熱流体解析プログラムSTAR-CDによる解析を行い,現場への適用性について検討できたため,およびWRFを用いた結露環境の評価手法を構築できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
桁形状や河川などを考慮した蓄熱材・断熱塗料の適切な設置等に関する検討を行う.研究目的を達成するよう桁形状,大気の温度・湿度,風,河川からの熱量・水蒸気量を考慮した解析・検討を行い,効果的な結露抑制方法と本技術の適応環境について多角的に検討を行い,本技術を完成させる.
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Causes of Carryover |
熱・流体解析ソフトウェアを当初の見込みより安く使用したことから次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
桁形状や河川などを考慮した断熱塗料の適切な設置等に関する検討および大気の温度・湿度,風,河川からの熱量・水蒸気量を考慮した解析・検討に使用する予定である.
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