2013 Fiscal Year Research-status Report
「水中振り子式」潮流発電における励振力の強化に関する研究
Project/Area Number |
25420484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
比江島 慎二 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (50284526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 潮流発電 / 海流発電 / 小水力発電 / 振り子 / 流体励起振動 / 渦励振 / 海洋エネルギー / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
1.実験装置の改良:従来の倒立振り子形式に代わり,懸垂振り子形式の実験装置を完成させた.それにより,倒立振り子を水中で支持していたフレーム構造を水面上に移動させることが可能となり,フレーム構造周辺の流れによる水流の乱れを除去することに成功した.また,従来のトルク負荷装置に代わり,より高精度のヒステリシスブレーキを用いるとともに,ワンウェイクラッチ機構を用いることで振り子の往復回転を片方向回転に変換し,従来のトルク負荷装置で懸案となっていたバネ効果を除去できた. 2.質量比の効果:質量比を連続的に変化可能な仕組みを考案し,振り子の質量比がエネルギー取得性能に与える影響に関する実験を開始した. 3.発電機内蔵型振り子:発電機を振り子の内部に組み込んだシンプルな方式を製作し,水流で振り子を振動させ発電することに成功した. 4.複数振り子による励振力強化:振り子を複数用いることで励振力の強化を図った.複数振り子形式として,同期振り子,非同期振り子,V字振り子,水平振り子などを試したところ,同期振り子で最も高い発電性能が得られた.異なる回転軸にそれぞれ振り子を1本ずつ取り付け,回転軸どうしを互いに連結することですべての振り子を同位相で振動させる同期振り子の場合,ほぼ振り子本数に比例する発電電力が得られた.一方,各振り子が異なる位相で自由に振動する非同期振り子の場合は,2本の振り子の位相がずれたとき,片方の振り子が空回りする可能性があるため,同期振り子ほど高い発電性能は得られなかった.2本の振り子を1本の回転軸にV字に設置するV字振り子では,2本の振り子の開き角を様々に変化させて実験したところ,開き角が大きいほど高い性能が得られた.水平振り子はV字振り子よりも高い発電性能が得られたが,やはり同期振り子ほど高い発電性能は得られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
質量比の効果については実験を開始したばかりで今後も実験を継続するが,平成26年度以降に実施する予定だった複数振り子による励振力強化については,平成25年度中に前倒しで検討することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
3Dプリンターを用いて様々な断面形状の振り子を作成し,励振力やエネルギー取得性能が高い断面形状について検討するとともに,それぞれの断面形状の振り子について質量比の影響を引き続き調べる.さらに,Q値を高めることにより,励振力やエネルギー取得性能を向上できる可能性があるため,振り子質量とバネ定数を同時に変化させることでQ値を変化させ,その効果を検討する.また,流れ方向に振り子を並べるとき,上流振り子の振動の影響がどの程度,下流振り子の励振力やエネルギー取得性能に影響するか検証する.
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Research Products
(10 results)