2015 Fiscal Year Annual Research Report
近代木橋の経年による残存強度の実態把握に基づく耐用年数の推定法開発
Project/Area Number |
25420492
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 秀行 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (00110990)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 近代木橋 / 要因分析 / 耐用年数 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年度に続いて近代木橋の架設および修繕工事等の実績に関する各要因別による991橋の収集したデータを定量的に分析した。さらに、近代木橋に対する合理的な計算式の開発を行なった。 ①架設後28年経過した石川県民森かじか橋(木製上路アーチ橋:石川県小松市)の健全度調査と振動実験から、健全度評価を行なった。また、振動実験で得られた基本固有振動数に対する逆解析でヤング係数の尺度によって構造剛性の減少率を検討した結果、28年の経過によってかじか橋の構造剛性の減少率が52%低下していることを確認した。 ②架設後25年経過したこおろぎ橋(木製頬杖橋:石川県加賀市)の健全度調査と振動実験から、健全度評価を行なった。また、振動実験で得られた基本固有振動数に対する逆解析でヤング係数の尺度によって構造剛性の減少率を検討した結果、25年の経過によってかじか橋の構造剛性の減少率が67%低下していることを確認した。 ③耐用年数に関係する要因とその細分割した項目の抽出、各項目の点数化を検討し、耐用年数の計算式を検討から指数関数が適切であることの知見を得た。そこで、近代木橋の耐用年数の計算式を用いて72橋の耐用年数(計算値)を算出した。また,計算値である耐用年数を外的基準として数量化理論Ⅰ類を用いて耐用年数の推定(推定値)を行い、耐用年数の推定式を開発した。さらに、近代木橋の耐久性に関係する重要な要因は,耐用年数の推定値に大きく影響を及ぼすことが統計学的手法でも明らかになった。 本研究による成果は、既設の近代木橋に対して今後の維持管理や修繕工事等の計画が可能となる。あるいは、新規に計画する近代木橋の耐用年数を予測することができ,さらに計画条件の変更を考慮することによって耐用数を増加する方策も可能であるなど、近代木橋の維持管理と普及に資する知見を得た。
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Research Products
(4 results)