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2013 Fiscal Year Research-status Report

性能回復を意識した重度腐食鋼板の座屈実験-強度評価から補修・補強設計へ-

Research Project

Project/Area Number 25420494
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokuyama College of Technology

Principal Investigator

海田 辰将  徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 准教授 (10390519)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords鋼構造 / 腐食 / 耐荷力 / 維持管理 / 補修補強 / 性能回復 / 点検 / 板厚計測
Research Abstract

平成25年度は,重度腐食部材のレーザースキャンによる腐食表面形状測定,超音波厚さ計による板厚測定および載荷実験を実施した.本研究課題では,単純な腐食鋼板(平板)の座屈実験を実施する予定であったが,平成25年4月に山口県内で標識柱または照明柱の腐食による倒壊事故が発生し,緊急点検の過程で撤去された照明柱を山口県から入手する機会を得たので,これの板厚計測(点検)手法の検討および曲げ座屈実験を行い,道路附属鋼構造物の維持管理に有用な知見を得ることとした.
対象となる供試体は,山口県防府市沿岸部の旧国道2号線にて約40年間供用されていた道路照明柱の一部である.供試体にサンドブラスト処理を施した後,超音波板厚計による25mm間隔の板厚測定と,レーザーによる腐食表面形状測定を実施し,その両結果を比較することで簡易な板厚評価方法について考察した.その結果,超音波板厚計による測定結果は概ねレーザーによる結果と傾向が一致していたものの,全体的にレーザーによって求められた板厚よりも0.2~1mm程度大きく表示されることが分かった.
一方,供試体の曲げ座屈強度については藤井堅教授(広島大学,研究協力者)の協力を得て載荷実験を実施した.その結果,本照明柱はベースプレートと柱基部の大部分が断面欠損しているにも関わらず,4枚の補剛リブの上端部付近で座屈したことから補剛リブの強度が照明柱の曲げ座屈耐荷力を直接左右していることが分かった.
上記の成果より,今後は本供試体のFEM解析を実施するほか,この種の鋼管柱における特徴的な腐食形態をピックアップして強度解析により曲げ座屈耐荷力を簡易に評価する方法について検討したい.同時に,超音波板厚計を用いた合理的な点検方法についても耐荷力と関連付けて提案したい.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

申請当初は単純な平板状の腐食鋼板について実験や板厚計測を実施する予定であったが,道路附属物である標識柱や照明柱の相次ぐ倒壊事故を受けて,鋼管柱の曲げ座屈状態における合理的な点検方法および耐荷力評価に主眼を置いて研究を遂行した.年度内に載荷実験および超音波板厚計,レーザースキャンによる腐食表面形状の測定が終了しており,具体的な点検方法や曲げ座屈強度の推定方法について検討している状況にある.当初の計画よりも1~2か月程度遅れ気味ではあるが,供試体の形状が平板から鋼管柱に変更したため板厚測定に時間がかかったことが理由であり,計画全体に対しては特に大きな影響はない.
供試体が今のところ1体のみであるため,できるだけ汎用性・一般性に富んだ結果を得るには説得力に欠ける印象はあるが,国土交通省より新たに撤去した照明柱を提供頂けることになり,現地調査および腐食現況調査を行っている.今後はFEMによる残存曲げ座屈強度評価に加え,超音波板厚計を用いた簡易な点検方法の見直し案を検討するなど,鋼構造物の老朽化や維持管理問題に対してタイムリーな課題をできるだけ多く取り入れた形で本研究課題を展開したいと考えている.

Strategy for Future Research Activity

まずは当初の予定通り,腐食した鋼管柱を含めた重度腐食部材の座屈解析を実施し,孔食周辺などの激しい腐食による凹凸が板の降伏強度や座屈強度,座屈変形性状に与える影響を明らかにする.平板の腐食表面形状については,過去に申請者らが腐食表面計測を行ったプレートガーダー供試体のデータから,重度の腐食損傷が認められる箇所を抜き出す等の方法により数値的に生成する.
一方,性能回復を含む鋼構造物の合理的な維持管理の観点から考えると,耐荷力評価のための残存板厚の点検・計測方法に関する検討が不可欠である.そこで,現在,県や国においても早急な対策が求められている道路附属物(照明柱,標識柱)を対象として超音波板厚計を用いた簡易な残存板厚推定法について,前年度の成果を踏まえてより詳細に検討したい.具体的には,重度の腐食が想定される鋼管柱の基部について,腐食形態を分類し,超音波板厚計による鋼管柱周囲数点~十数点の板厚計測結果から,安全側に柱の残存曲げ座屈強度を推定する評価式または評価パラメータについて提案する.

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 約100 年間供用された橋梁のリベット継手の残存強度試験2013

    • Author(s)
      佐竹亮一,藤井堅,小迫伸聡,山下泰勲,海田辰将
    • Journal Title

      構造工学論文集

      Volume: 59A Pages: 702-71

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 腐食鋼板の応力状態の考察と要求精度に応じた残存引張強度評価式の構築2013

    • Author(s)
      全邦釘,池田裕幸,海田辰将,古川清司,大賀水田生
    • Journal Title

      土木学会論文集A2分冊(応用力学)特集号

      Volume: Vol.69,No.2 Pages: 665-676

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Basal study on reliability improvement of thickness measuring result by applying portable ultrasonic thickness gauge to corroded plate2013

    • Author(s)
      Kaita, T., Nishioka, h., Sugiyama, Y., Nakazawa, K. and Fujii, K
    • Journal Title

      New Developments in Structural Engineering and Construction

      Volume: Vol.1 Pages: 453-458

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 旧余部橋梁主桁の腐食損傷調査と鋼材の性質に関する特徴2013

    • Author(s)
      西岡祐希,海田辰将,藤井堅
    • Organizer
      日本高専学会第19回年会講演会講演論文集
    • Place of Presentation
      高知工業高等専門学校
    • Year and Date
      20130831-20130831
  • [Remarks] 徳山工業高等専門学校教職員紹介

    • URL

      http://www.tokuyama.ac.jp/profiles/kaita.html

URL: 

Published: 2015-05-28  

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