2014 Fiscal Year Research-status Report
高靭性材料を用いた土構造物の耐震性・耐侵食性強化技術
Project/Area Number |
25420512
|
Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
小竹 望 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (60512704)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 勉 香川高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00409038)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 耐震補強 / 部分補強 / 土構造物 / 靭性土質材料 / 低利用資源 / 繊維補強 / 耐浸食性 / 安定解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、土構造物の強靭化を目的として構造と材料の両面からアプローチした。構造面では、土構造物の経済的な耐震補強方法の検討として、高い靭性を有する土質材料を用いて土構造物表面を部分的に改良することによって、全体系の耐震性と耐侵食性を向上させる低コストな土構造物補強技術を確立することである。 その第一段階として、盛土の部分補強に関する基本モデルを設定し、剛性だけを高めた材料を用いた振動台模型実験を実施した。その結果から最も効率的な部分改良モデルを評価した。第二段階として柔軟性があり引張抵抗力を有する布状あるいは袋状材料を用いた補強形態を検討し、拘束圧の作用が少ないと補強の効果が発揮できないことを明らかにした。また、実験結果を安定解析で再現することで設計への反映の道筋を得た。 土質系靭性材料の開発においては、低利用資源の積極的活用と環境配慮型技術に配慮して以下の各種材料の利用可能性を検討した。 1)廃石膏ボード由来の再生石膏固化材について、室内試験ならびに現場施工実験から基本的硬化特性と環境安全性を評価して、実用可能な範囲をある程度設定した。2)繊維補強固化処理土の面状改良体としての利用形態に関して、曲げモードでのひずみ分布を画像解析技術を用いて明らかにする手法を開発した。また、SEM撮影画像による微視構造解析結果から二相材料としての解析が可能である目安を得た。3)低利用かつ自然由来の竹繊維を用いた繊維補強土について基本的な土質改善効果を確認した。一方、東日本大震災の津波堆積土に木くずが混入する理由から通常の土工資材としての活用が進まない状況に対応して、少量の繊維混入が土の工学的性質を改善するか悪化するかという基本的な問題提起を得た。4)再生プラスチックを用いた土木資材開発について、地山補強土工法の受圧板として利用することで耐震補強効果を発揮することを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体的には順調に進捗していると判断している。材料面の開発については水平展開もあって当初の計画以上に進展した。構造面の検討では、振動台模型実験と数値解析との両者を効率よく使用することを計画していたが、数値解析法の進捗がやや遅れ気味である。実験の遅れは、適切な実験材料の選定に時間を要していることに依るが、次年度の早期に実施できる目途がついている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従って研究を推進していく。最終年度となる平成27年度では、実施済みの過去2年分で抽出された課題の解決を織り込んだ詳細計画を練り直して執行していく。進展の不十分な研究項目については、研究協力者との連携を強めて取り組んでいく方針である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、今年度購入を計画していた装置の購入を次年度に見送ったことと、消耗品の購入等が計画より少なかったことによる。装置に関しては、振動実験装置に取り付ける任意波形発生装置の導入を予定していたが、今年度の研究結果を踏まえると、本研究で設定する実験条件から同装置の有効性があまり認められないと評価された。さらに来年度計画を考慮すると、汎用せん断試験機の繰り返し制御装置が本研究の目的に適合すると考えられた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究の最終年度であることを踏まえ、今年度計画した汎用せん断試験機(既設)の自動制御装置を導入することにする。全体的には当初計画の予算内におさまるように計画する。
|
Research Products
(14 results)