2014 Fiscal Year Research-status Report
力学的・確率的ダウンスケールを併用した気候変動による将来高潮リスクの不確実性評価
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25420522
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 誠宏 京都大学, 防災研究所, 助教 (60378916)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 気候変動 / 高潮 / 確率台風モデル / パラメトリック台風モデル / 不確実性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果は以下の通りである. (1)領域気候モデルを入力条件とした高潮氾濫計算: 伊勢湾台風を対象に氾濫計算を実施した。30m解像度の過去および現在の地形データを用い,温暖化シナリオ下での台風強度の変化を考慮して,ゼロメートル地帯の浸水・氾濫リスクの将来変化を示した。大阪湾および東京湾については,地形データの整備と対象台風の設定をした。また,フィリピンで発生した台風Haiyan (T1330) によるレイテ湾における高潮についても追算を行い,湾奥での異常高潮およびサマール島東海岸での段波による高潮浸水の発生について解析した。 (2)確率台風モデルSTMによる台風資料の作成: 改良した確率台風モデルを用い,台風資料を作成した。観測資料を入力条件にしたケースと,GCMの現在気候実験を入力条件としたケースをそれぞれ実施し,観測実績の再現性を評価した。評価項目は,通過個数,移動速度,中心気圧である。続いて,GCMデータのアンサンブル解析から推定した,気候変動による台風特性の将来変化をパラメータ化し,STMに実装することで,将来気候下における台風資料を作成した。 (3)パラメトリック台風モデルを用いた最悪コースの把握: パラメトリック台風モデルの海面抵抗係数や,台風のコース,湾の形状に対する進入角度等を細かく変えることで,ワーストケースとなる条件はどのようなものかを把握し,可能最大高潮の大きさを推算した。気候変動によって,将来,台風強度が強まることが予測されているが,コースによる影響と気候変動による影響のいずれのインパクトが大きいかについて定量的に評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき研究を推進する予定である.
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Causes of Carryover |
次年度に,研究成果発表をするため国際会議に参加するが,異なる会議に複数回参加することになり,その参加費と渡航費に充当するため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議での成果発表(ボストン,フィレンツェ)をする予定である.
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Local amplification of storm surge by Super Typhoon Haiyan in Leyte Gulf2014
Author(s)
Mori, N., Kato, M., Kim, S., Mase, H., Shibutani, Y., Takemi, T., Tsuboki, K., Yasuda, T.
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Journal Title
Geophysical Research Letters
Volume: 41
Pages: 5106-5113
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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