2014 Fiscal Year Research-status Report
地方都市における都市型集中豪雨の発生特性に関する研究
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25420527
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久田 由紀子 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 学術研究員 (70423572)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲリラ豪雨 / 都市型集中豪雨 / WRF |
Outline of Annual Research Achievements |
観測で得られた雨量計と温度計のデータに加え,福岡管区気象台,博多AMeDAS,太宰府AMeDASにて観測されている風向風速等の気象データを用い,都市型集中豪雨が降る気象条件を明らかにした.福岡管区気象台にて観測されている高層気象データを用い,大気安定度との相関を明らかにした.. 気象モデルWRFを用い,都市型集中豪雨発生時の気象場の再現シミュレーションを行った.数値シミュレーションでは,都市型集中豪雨の発生を再現することが目的のため晴天日を対象とした.数10kmの都市空間に発生する気象変動を高解像度で解析するため,広領域(領域1)として九州を中心とした約1,000km四方の領域を計算領域に設定し,計算領域を数10km四方の狭領域(領域4)まで順次4段階に落とす4重ネストとし,2ウェイネスティングを行った.シミュレーションの結果は高層気象,地上気象観測,AMeDAS,および自前の観測データを用い,精度を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観測は順調に行われたが,今年度の夏季は少雨だったため,得られたデータ数は少なかった.次年度も引き続き観測を行うことで補えると思われる.数値シミュレーションは導入に時間を要したが,現在は順調に進んで,数ケースを計算中である.
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Strategy for Future Research Activity |
5月に雨量計の点検を行い, 6月以降は観測を引き続き行う.最終年度のため,得られたデータの解析にはこれまでにない手法も考慮しまとめあげる. 数値シミュレーションでは,他の地方都市への応用として,地形を変化させたシミュレーションや,実際に存在する他の都市でのシミュレーションを行い,中規模都市での発生特性を明らかにする. WRFを用いた数値シミュレーションでは雨量に関する精度がそれほど良くないことがあるため,,雲解像モデルCloud Resolving Storm Simulator (CReSS)の使用を試みる.CReSSは雲スケールからメソスケールの現象を対象とした雲解像の非静力学気象モデルである.強い降水をもたらす積乱雲が組織化した降水システムは非常に複雑なものであり,その発展は流れの場と雲物理の複雑な非線形相互作用により規定される.このような降水システムを数値モデルによってシミュレーションするには,流れの場のプロセスとともに雲物理学過程を詳細に計算することが重要である.CReSSはこのような計算に非常に優れており,雲の詳細な時間発展のシミュレーションを行うことが可能である.
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Causes of Carryover |
3月に予定していた観測を4月に延期したため,繰越額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
観測旅費に使用する.
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