2013 Fiscal Year Research-status Report
海岸構造物の変形・破壊予測に関する３次元数値解析モデルの構築と適用
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25420529
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | University of Miyazaki |
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Principal Investigator |
村上 啓介 宮崎大学, 工学部, 准教授 (60219889)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 津波 / 越流 / 捨石マウンド / 洗掘 / 波動解析 / 個別要素法 |
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| Research Abstract |
本研究の目的は，海岸構造物の変形・破壊モードを波浪・構造物・地盤の相互作用を考慮して推定できる３次元数値解析技術の開発を念頭に，波浪による構造物の変形・破壊過程を精度良く予測できる数値解析モデルの開発を行うことである．研究は，平成25年度から平成27年度までの３カ年で実施する予定で，平成25年度はVOF法を用いた波動解析コードに３次元に拡張した個別要素法（DEM）を組み込み波浪外力に対する海岸構造物の３次元変形・破壊予測プログラムを開発，平成26年度は開発した予測モデルの精度と妥当性を水理模型実験により検証，平成27年度は実構造物の典型的な被災事例について再現シミュレーションをおこない構築する数値解析モデルの適用性を評価，の手順で進める計画で開始した．平成25年度は研究の初年度で，VOF法を用いた波動解析コードを用いて津波が防波堤を越流する現象を再現するとともに，越流した津波の構造物背後における流況特性を詳細に検討できる段階に至った．個別要素法の組み込みに関しては，３次元問題への拡張を視野に入れながら，２次元問題が解析できるモデルを組み込みその動作確認を行った．数値計算結果の妥当性を確認しながら研究を進める必要があると判断し，数値計算モデルの構築と平行して平成26年度に予定した水理模型実験の一部を前倒しして実施した．防波堤基礎捨石マウンド部の津波による洗掘を水槽内に再現し，洗掘量に対する津波越流量や捨石粒径等の影響を把握するとともに，洗掘軽減対策法を試験的に模索した．これらの研究成果は「平成26年度土木学会論文集B3(海洋開発)」特集号（Vol.70，No.2）に投稿し受理された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は，海岸構造物の変形・破壊モードを波浪・構造物・地盤の相互作用を考慮して推定できる３次元数値解析技術の開発を念頭に，波浪による構造物の変形・破壊過程を精度良く予測できる数値解析モデルの開発を行うことである．平成25年度は，VOF法を用いた波動解析コードに３次元に拡張した個別要素法を組み込み波浪外力に対する海岸構造物の３次元変形・破壊予測プログラムを開発することを計画した．VOF法を用いた波動解析コードに関しては計画年度内に構築が完了した．解析では，解析領域の上流端に入射境界を設け，水位と流量を境界条件として与えることで津波流が発生できることを確認するとともに，下流側に設けた防波堤を津波が越流して捨石マウンドを洗掘する流況が形成されることを確認した．また，個別要素法の組み込みに関しては，３次元問題への拡張を視野に入れながら，２次元問題が解析できるモデルを組み込みその動作確認を行った．数値計算結果の妥当性を確認しながら研究を進める必要があると判断し，防波堤を津波が越流した後の流況を計測して計算結果との比較を行った．同時に，防波堤基礎捨石マウンド部の津波による洗掘を水槽内に再現し，洗掘量に対する津波越流量や捨石粒径等の影響を把握する実験を併せて実施した．構築した波動解析コードをもとに防波堤背後の流況の詳細が把握できたことと，水理模型実験から最大洗掘量に対する津波越流量と捨石粒径の関係が把握できたことから，これらの成果を「平成26年度土木学会論文集B3(海洋開発)」特集号（Vol.70，No.2）にまとめるに至った．以上より，平成25年度に実施すべき研究内容に関して，その達成状況は概ね順調と判断できる．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は，VOF法を用いた波動解析コードに３次元に拡張した個別要素法を組み込み波浪外力に対する海岸構造物の３次元変形・破壊予測プログラムを開発することを計画した．この計画に対し，VOF法を用いた波動解析コードに関しては計画年度内に構築が完了した．また，個別要素法の組み込みに関しては，３次元問題への拡張を視野に入れながら，２次元問題が解析できるモデルを組み込みその動作確認を行った．３次元問題への拡張を平成26年度に完了する方向で研究を進める．なお，数値モデルの構築を平成26年度以降にも継続して進めることは当初の研究計画にも織り込んでおり，研究計画を変更する必要はない．よって，平成26年度は流体解析と個別要素解析を用いて津波が防波堤を越流して基礎捨石マウンドを洗掘する状況を再現するとともに，それらの結果を水路模型実験結果と比較して数値モデルの妥当性を検証する．平成25年度の研究では，数値計算結果の妥当性を確認しながら研究を進める必要があると判断し，平成26年度に予定した水理模型実験の一部を平成25年度に前倒しして実施した．実験では，防波堤基礎捨石マウンド部の津波越流による洗掘現象を水槽内に再現し，最大洗掘量に対する津波越流量と捨石粒径の影響を評価した．最大洗掘量に対する津波越流量と捨石粒径の影響は想定していたものよりも大きいことが判明したので，平成26年度の実験ではそれらの値を変えた実験を実施し，数値計算結果の適合性を評価する．また，平成25年度に実施した洗掘軽減対策に関する実験結果に基づき，新たな洗掘軽減対策について数値解析と水理模型実験の両面から検討することとする．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に数値計算に使用するワークステーションの購入を計画していた。当初はHP社のZ820・8GB, E5-2687W,（プロセッサーXeon3、10GHz、8コア、20MB、1600MHz）を予定していたが、内蔵ハードディスクを含めてより安価で高性能のワークステーション（BELL社製、PrecisionT5600）が製品として得られた。よって、当初予定していたワークステーションとハードディスクの経費が安く済んだため次年度使用額が生じた。
次年度使用額は平成25年度に購入したワークステーション費が安く済んだことから生じた。よって、平成26年は平成25年度に引き続き数値計算を実施する計画なので、研究をより効率的に行うため、平成25年度に購入したワークステーションの性能と利用環境を向上（メインメモリの増設とモニタの増設）させるための経費として次年度使用額を使用することとする。
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Research Products
(1 results)
