2015 Fiscal Year Research-status Report
信頼性の観点からみた日常・災害時の交通ネットワークの連結性向上の便益評価
Project/Area Number |
25420538
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中山 晶一朗 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (90334755)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 信頼性 / 連結確率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,道路ネットワークの連結性を検討するために,リンク途絶がなく,通行可能な道路で地点間が連結される確率の計算を行う.リンク途絶のパターンは指数関数的に増加するため,その計算時間を短縮させる必要がある.本年度では,これまでに研究室にて開発していた計算プログラムを大幅に見直し,その計算アルゴリズムの改良を行った.結果として,金沢市ネットワークでの計算では,以前に507秒かかっていたものが,1.2秒に大幅に計算時間を短縮させることができた.次に,このアルゴリズムを用いて,石川県・富山県・福井県・岐阜県の4県の道路ネットワークについて,各県庁直近のノードからその他の道路ネットワークの全ノードまでの連結確率を算出し,道路ネットワークの脆弱な部分の検証を行った.そして,金沢市海側環状道路の便益を連結・時間信頼性を含めて評価するなど現実ネットワークへの適用の際にはOD交通量が必要となる.基本的には,道路交通センサスのOD調査の結果を用いるが,誤差等もあるため,何らかの補正が必要となる.比較的計測が容易で道路管理者がある程度のデータを持つリンク交通量データを用いて,OD交通量を推定もしくは修正する手法を検討した.また,石川県の道路交通センサスのOD調査データをとりまとめ,石川県内全域で適用可能となるようなデータ整備を行った.これによって,次年度に実際に連結・時間信頼性を考慮した道路整備等の道路政策の便益評価を行うことが可能になる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」の欄に記載したように,ネットワークが大きくなるにつれて指数関数的に計算コストが増大する連結計算についての高速なアルゴリズムを開発することができたなど研究は順調に進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であり,本研究の全体の成果をとりまとめる.
|
Causes of Carryover |
最後に購入した物品が予定よりも8円安く納入されたため,8円のみ次年度に繰り越すことになった.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
金額が8円と少ないため,特に計画の作成や変更はない.
|