2014 Fiscal Year Research-status Report
公共プロジェクトにおけるメタ合意の形成と討論ガバナンスに関する研究
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25420550
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
羽鳥 剛史 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (30422992)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタ合意 / 討論ガバナンス / 討議理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,公的討論の規範理論に関わる前年度の知見を踏まえて,災害危機管理問題を対象として,危機管理における諸討議を統制する高次の討議 (メタ討議) の役割に着目し,メタ討議によって社会的意思決定の判断基準の変更を正統化するための理論的枠組みについて検討した.そして,危機的状況に直面する意思決定者の状況判断や意思決定の判断基準を正統化する上で,メタ合意の果たす役割やそのための規範原理を明らかにした.また,日本における地域起業やコミュニティビジネスの事例を踏まえつつ,地域住民間の学習メカニズムとして,ソーシャルキャピタルや討論ガバナンスの役割や要件について理論的な考察を行った.さらに,公共プロジェクトに関わる内省型コミュニケーションが当該プロジェクトに対する過度に強固な意見や価値観を緩和する上での効果を実験的に検証し,公的討論のあり方について考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は,公的討論の規範理論を基にして,災害危機管理や地域学習等の具体的な問題について検討し,社会的意思決定のあり方やメタ合意の意義について検討を進めたが,現実の討論や地域学習過程の分析等について課題が残されている.
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Strategy for Future Research Activity |
現実の討論事例を対象にして,地域学習やメタ合意の形成過程について実証的な分析を行うと共に,討議ガバナンスについての政策的な提言を行う.
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Causes of Carryover |
当初予定していた消耗品(文房具)を購入する必要がなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の物品費の中で計上する。
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