2013 Fiscal Year Research-status Report
センサネットワークを用いた地震被災情報収集システムの構築
Project/Area Number |
25420581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山邊 友一郎 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70362762)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | センサノード / 無線センサネットワーク / 建築構造物 / 損傷検出 / 防災対策 |
Research Abstract |
平成25年度は,簡便かつローコストなセンサノードを構築するために,マイクロコントローラシステムとしてArduinoという製品を導入し,また,これに無線通信機能を付加するために,XBeeという無線デバイスを接続することにより,プログラミングでカスタマイズ可能な無線通信環境をローコスト(センサノード1つ当たり2万円程度)で構築した。また,センサノードに接続するセンサとしては,加速度センサ及び角速度センサを接続し,地震力を受ける建物の変形性状を計測すると共に,計測値を無線で情報伝達するシステムを構築した。 本年度は,実物大の3層鉄骨構造物を,世界最大規模の振動台を持つE-ディフェンスで加振実験する共同研究に参加する機会があったので,製作したセンサノードを実物大鉄骨構造物に設置し,部材の変形を計測すると共に,計測値の最大値を無線で送信する実験を行った。 センサの計測対象としては,各階床面に設置した加速度センサにより応答加速度を計測すると共に,センサノードに付加したSDカードに計測加速度の履歴を記録した。また,梁端回転角を計測するため,治具を介して角速度センサを設置し,角速度を計測するとと共に計測角速度の履歴をSDカードに記録した。 実験では,加速度及び角速度の計測情報を基にしてトリガーを設定し,閾値以上の変化を計測すればSDカードへの記録を開始し,揺れが収まったと判断すれば,SDカードへの記録を終了し,加振中に記録した最大加速度及び最大角速度を無線で送信するシステムを構築した。 実験では,30m程度離れた位置から,無線により発信された情報を受信することで,情報伝達の正確性を検証すると共に,SDカードに記録されたデータを処理することで,構造物に生じた損傷を検出する取り組みを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,ローコストなオープンソースハードウェアとセンサ及び無線通信デバイスを用いることにより,複数のセンサノードを製作し,センサネットワークのプロトタイプを構築した。また,当初の計画にはなかったが,実物大建築構造物の振動実験実験に参加する機会を得て,センサノードの性能実験を行うことができたため,大いに研究は進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
計測対象に応じて必要とされるセンサの精度,記録データ等が変化することが想定されるため,引き続きセンサノードの仕様の検討を行う予定である。具体的には,①センサノードの設置位置,②センサノードへの電源供給方法,③センサノードの耐久性,メンテナンス,④センサノードとサーバ間の情報送受信の正確性などである。また,無線センサネットワーク構築に向けて,機器の選定,通信距離,通信範囲などを実験を通して詳細に検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
無線センサネットワークを構成するセンサノード数が,実験の都合上,想定より少なくて済んだため。 大規模なセンサネットワーク構築実験を行うため,多数のセンサノードを製作する。
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Research Products
(6 results)