2014 Fiscal Year Research-status Report
センサネットワークを用いた地震被災情報収集システムの構築
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25420581
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山邊 友一郎 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (70362762)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | センサネットワーク / 建築構造 / 性能モニタリング / 情報収集 / 防災対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
簡便かつローコストなセンサノードを構築するため,オープンソースハードウェア(Arduino)と無線通信デバイス(XBee)を用いて構築したシステムをにより以下の検討を行った。 1.ArduinoとXBeeを用いた通信性能実験:地震被災情報を提供するシステムの実用化に向けて検討すべき課題として,XBeeを用いたセンサノードの無線通信性能に関して,以下に示す1)~4)の基礎的実験を行い,各環境での通信性能に関する知見を得た。 1)屋外での通信実験:見通しの良い公園でセンサノードを固定し,受信装置を持った観測者がセンサノードから徐々に離れていきながら,通信データの正確性を検証した。実験結果より,通信可能な距離の上限は100mであった。データ送信間隔については,35msec以下では通信が不安定であったが,36msec以上では,ほぼ100%の通信成功率となった。 2)住宅地での通信実験:実験場所は住宅地であり,低層住宅が通信成功率に及ぼす影響を検証した。L字型の道路の一辺にセンサノードを配置し,角を曲がった位置から徐々に離れていきながら,通信実験を行った。結果より,角からの距離が離れるに従って通信成功率が徐々に低下する傾向があった。 3)住宅内外の通信実験:木造軸組工法2階建て住宅の屋内中心付近にセンサノードを設置し,住宅外部への通信能力を検証した。結果より,通信成功率が90%以上となる範囲は非常に少なく,木造住宅であっても建物の壁越しにデータをやり取りすることの難しさを示す結果が得られた。 4)建物内部での通信実験:大学の研究棟内部で通信実験を行った。結果より,直線状の廊下では70%以上の通信成功率があったとしても,直角に曲がると(間仕切りのないオープンスペース)通信成功率が0%になる現象が観測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,基礎的なセンサノードの仕様を決定し,単純なセンサネットワークとして,基地局無線モジュールを接続したコンピュータ(サーバ)1台とセンサノード1機を配置したシステムを構築して,サーバとセンサノードとの通信実験を行った。これにより,①センサノードの設置位置,②センサノードとサーバ間の情報送受信の正確性に関して基礎的知見を得た。また,情報発信のため,建物の地震被災情報を所有者に伝える緊急情報メール送信に関する基礎的検討も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
計測対象に応じて必要とされるセンサの精度,記録データ等が変化することが想定されるため,引き続きセンサノードの仕様の検討を行う予定である。具体的には,①センサノードの設置位置,②センサノードへの電源供給方法,③センサノードの耐久性(メンテナンス性),④センサノードとサーバ間の情報送受信の正確性の検討などである。また,情報収集のロバスト性向上のため,アドホックな無線センサネットワーク構築に向けて,多数のセンサノードを用いた実験的検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
海外渡航の費用が想定より安価だったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
センサノード作成に使用する。
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Research Products
(7 results)