2014 Fiscal Year Research-status Report
シングルデッキ型浮屋根式石油タンクの地震応答性状に関する研究
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25420588
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山本 憲司 東海大学, 工学部, 准教授 (70311884)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スロッシング / ポンツーン / 浮屋根 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが開発したシングルデッキ型浮屋根式石油タンクの解析プログラムを用いて、ポンツーンに生じる応力を調査した。本年度は次の2つの検討を平行して行った。 (1)一次モード共振時における流体非線形性により生じるポンツーンの面外変形挙動について分析を行った。2005年の消防法告示改正の通知の際に示されたポンツーンの応力算定式の結果と数値解析の結果に差が生じる原因がポンツーンの剛性による非線形波高の低減係数β1の値であることを昨年度明らかにしている。本年度は、具体的にβ1に差が生じるメカニズムについて詳細な分析を行った。まず、デッキ部分は固有値解析時に面外剛性を持たないことから、周方向2次半径方向1次の固有振動モードのデッキ部の変形を自由液面の変形と考え、ポンツーン部の変形との比から低減係数を算出することを試みた。その結果、応力算定式のβ1と良く一致することが分かった。次に、膜要素を取り除き、ポンツーンのみを液面に浮かべた状態のモデルを解析した。その結果、数値解析による非線形波高の低減率は応力算定式のβ1と良く一致することが分かった。これらの検討の結果から、応力算定式の結果と数値解析の結果に差が生じる理由として大振幅時にデッキに生じる膜力が非線形波高の低減率に大きく影響しており、この影響を考慮した応力算定式が必要であることが明らかとなった。 (2)二次モード共振時に付随的に生じる高次モードの発生についてポンツーンの断面剛性をパラメトリックに変化させた解析を行い、数値解析結果を詳細に分析した。その結果、二次モードの固有周期と、周方向3次半径方向1次の固有周期が近い場合ほど、周方向3次の高次モードが生起する傾向を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポンツーンのねじり剛性が応答結果に比較的大きな影響を与えることが分かったため、ポンツーンの面外剛性を変化させたモデルについては、ねじり剛性も同時に変化させる必要がある。この為、多くのモデルで再計算を行う必要がある。 ポンツーンの剛性による非線形波高の低減係数β1がデッキの膜力の影響を考慮していないため、数値解析結果と一致しないことまでは分かっているが、具体的なβ1の修正方法について検討するに至っていない。 その他については概ね計画どおり進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)一次モード共振時おけるポンツーンの面外変形挙動についてポンツーンがデッキから受ける力を詳細に分析する。解析モデルは、ポンツーンの面外剛性を標準モデルの0.1倍、1倍、10倍程度に変化させ、ねじり剛性についても断面を仮定し、面外剛性の変化に応じて変化させる。これらのモデルの数値解析を行い、デッキ膜要素の節点力の分布とデッキの変形を詳細に分析することで、ポンツーンがデッキから受ける力を把握する。 上記の結果を元にデッキ膜力を考慮したβ1の算定方法についても検討する。適当な方法が提案できない場合は、今後の課題として上記までの結果を査読論文としてまとめる。 (2)二次モード共振時に付随的に生じる高次モードの発生については、これまでにポンツーン剛性を変化させた解析は行ったものの、液深を変化させた解析を行っていない。この為、液深をパラメトリックに変化させた解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初の予定より物品が安く購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
コピー用紙などの消耗品に使用する。
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Research Products
(4 results)