2015 Fiscal Year Annual Research Report
実被害データベースに基づく超高層集合住宅の耐震性能に関する統合評価システムの構築
Project/Area Number |
25420589
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
永野 正行 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60416865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥田 剛典 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60598598)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超高層集合住宅 / データベース / 被災度 / ヘルスモニタリングシステム / 地震被害調査 / ネパール地震 / 研究フォーラム / 振動台搭乗実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2015年度では以下の成果が得られた。①国内に建つ20階建て以上の超高層集合住宅1200棟以上について,建設位置や階数等,構造形式等のデータベースを構築した。これにより,今後国内で大地震が発生した時の復旧計画策定に向けた計画が可能となる。②分譲マンションを対象に2011年東日本大震災時の室内被害に関する追加アンケートを実施し,より詳細な建物被害の分析を進め,被災度データベースの強化を図った。被災後に発生した修復費用の自己負担に関する調査するとともに,建物を耐震,制震,免震構造で分類し,耐震構造の分類により室内被害の程度が異なることを明らかにした。③2015年4月25日に発生したネパール・ゴルカ地震で被災した高層集合住宅の被害調査を実施した。構造躯体への損傷は大きくはないものの,レンガ壁から成る間仕切りの損傷が大きく,住めない状態となった建物が多かった。これらは,将来の国内での超高層集合住宅の地震被害軽減を策定する上で貴重な実被害資料となる。 研究期間全体を通じ,2011年東北地方太平洋沖地震時のRC造超高層建物の実地震時被害状況に基づく被災度の評価基準を構築するとともに,地震発生後の迅速な広域的復旧計画策定に資する総合的ヘルスモニタリングシステムを整備した。特にネパール地震での被害調査を追加し,RC造超高層建物の被害データベースを充実させることができた。国内に建つ1200棟を超えるRC造超高層建物に対し,今後予測される大地震発生後の生活維持計画に資する成果が得られた。研究内容の一部はプレス記事で取り上げられ,また2年目には研究フォーラム「大地震時における超高層マンションの揺れと被害-東日本大震災の経験を踏まえて-」を開催し,研究成果を対外的にアピールすることができた。
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