2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420599
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
野田 博 近畿大学, 建築学部, 教授 (30602221)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 強風災害 / リスク評価 / 部材耐力 / 外装材 / CFD |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の目標である①種々の建物用途の強風災害リスク評価法の確立,②コンピュータシミュレーションによる竜巻の再現,③飛散物の飛行シミュレーションの作成,④風による超高層建物の振動予測(昨年度追加検討項目),はおおむね達成した。 平成25年度には物流施設,教育施設の強風災害リスク評価を行ったが,今年度は新たに体育館の強風災害リスク評価を行った。また,一昨年度までは建物が外壁・窓等により閉ざされた空間を仮定してリスク評価を行っていたが,今年度は外壁面が破損することにより卓越開口が生じ,この卓越開口により室内圧が変化する状態を考慮したリスク評価を行った。この卓越開口による室内圧変化を考慮することにより,より実現象に則したリスク評価が行えるようになった。 コンピュータシミュレーションによる竜巻の再現,では既往の研究と同程度のシミュレーションを行えるようになった。今後は開発したシミュレーターの精度を上げることにより,更なる成果を目指す。 飛散物の飛行シミュレーションの作成,では初歩的なシミュレーションが行えるようになった。平成27年度ではこの課題に積極的に取り組む予定である。 風による超高層建物の振動予測では,振動する建物に流体の運動方程式の座標を固定した非慣性系座標による数値流体計算手法を新たに開発した。これにより,今まで以上に効率的な振動物体と流体の連成計算を行うことが可能となった。 これらの成果の一部は,日本建築学会ならびに日本風工学会風工学シンポジウムに投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の達成状況は,計画段階で予定していた通りの達成度と思われる。ただし,研究課題の推進を優先したため,研究環境を整えること(数値流体計算用計算機の購入・整備)が停滞していた。次年度では早々に研究環境を整え,取り組み課題を整理して,今年度末には最大限の成果を出せるよう努める。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も計画通り研究を推進する。具体的には,下記の項目について取り組む ①コンピュータシミュレーションによる竜巻の再現 ②飛散物の飛行シミュレーション ③台風時ならびに竜巻による飛散物の飛散速度と飛散範囲の確率分布 ④飛散物を考慮した強風災害リスク評価法の確立
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Causes of Carryover |
研究課題の推進を優先し,研究環境の整備(数値流体計算用計算機の調査・購入)については時間を費やすことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度早々に計算機の性能調査ならびに購入を行い,研究環境を整備する。
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