2013 Fiscal Year Research-status Report
都市環境特性地図集を活用した人口減少時代の都市内再自然化計画に関する研究
Project/Area Number |
25420608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 貴宏 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30379490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲地 秀介 摂南大学, 理工学部, 講師(Lecture) (50612313)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人口減少 / GIS / 植生 / 気候 / 土地利用 |
Research Abstract |
近年、我が国も所謂「人口減少時代」に突入し、多くの地方都市では既に人口減少傾向が見られる。このような人口減少時代においては、従来の成長管理的な都市計画手法ではなく、既存都市内の再構成手法の構築が求められ、特に環境配慮の視点からは「どこにどのような自然環境を復元するか?(都市内再自然化)」という視点が重要となる。そこで本研究では、実際に人口減少の兆候が見られる都市を対象とし、科学的視点からの再自然化指針をステークホルダー(住民、自治体、都市プランナー等)に伝えるための都市環境特性地図集を作成することを第1の目的としている。そこで、2013年度は各種環境要素(気候、生態、水、地盤)の視点からの「都市環境特性地図」の作成を行った。具体的な内容を以下に記す。(1)気候環境の視点による都市環境特性地図:実測調査結果、および数値計算結果を用いて、対象地を都市気候特性に基づき区分した地図の作成を行った。(2)生態環境の視点による都市環境特性地図:生態学では植生景観という空間のとらえ方がある。この植生景観をその出現群集・群落のパターンにより分類を行い、その分類を示した地図(植生景観図)を作成した。この地図は各場所の生態的特徴を示す。(3)水環境の視点による都市環境特性地図:植生景観図と対象地内の複数ポイントの水質・水量データを用いた分析を通して、水環境に対する土地利用の影響を示した地図を作製した。(4)地盤環境の視点による都市環境特性地図:植生景観図と地盤状況を示した地理データを用いた分析を通して、地盤環境の脆弱性を示した地図を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度に実施予定であった各種環境要素(気候、生態、水、地盤)の視点からの「都市環境特性地図」の作成を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度に作成した都市環境特性地図をベースに、再自然化推奨ゾーンの特定手法の開発を行う。また、その手法を用いて作成した再自然化推奨ゾーン地図をベースに、対象都市における環境配慮型再自然化計画のシナリオ作成を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者と研究分担者との研究打ち合わせの回数を、平成25年度の当初予定より減らしたため。 次年度使用額は、研究代表者と研究分担者との研究打ち合わせのための旅費に使用する予定である。
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