2014 Fiscal Year Research-status Report
QOL向上と給湯用エネルギー消費削減のための家庭排水熱回収システムの構築
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25420611
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鍋島 美奈子 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90315979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 真稔 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40287470)
中尾 正喜 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 特命教授 (60381977)
FARNHAM Craig 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (60638245)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 浴室 / 排水熱回収 / 上水予熱 / 給湯用エネルギー消費量 / 実験 / 熱交換器 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.2014年度は浴室の床下スペースに設置可能な平板型熱交換器について既製品2種類(以降,熱交換器dと熱交換器eとする)について実験おこない,熱交換性能を検証した.熱通過率K値に熱交換面積AをかけたKA値で比較すると,熱交換器dは255W/K,熱交換器eは957W/Kとなり,2013年度に製作した上水管巻き付け型熱交換器(以降,熱交換器aとする)42.9W/Kより高い性能を示した. 2.上水管巻き付け型熱交換器(熱交換器a)の性能向上の可能性について検討し,以下の結論を得た. (1)熱交換器の上水管と排水管の隙間を銀ろうでろう付けすることで,KA値は42.9W/Kから126W/K(試算値)までの性能向上が見込める.(2)立て管の排水流量が0.4L/s以上の場合,管壁全体を沿うように排水が流れるため横引き管より立て管に設置した方が熱交換器の性能が高くなる.(3)集合住宅のパイプスペースに設置し,複数世帯で共有する熱交換器に適している. 3.給湯スケジュールおよび排水スケジュールを考慮して,瞬間式ガス給湯器と熱交換器eの性能値を用いたシステムシミュレーションをおこない,上水予熱システムの導入効果を評価した.単独世帯では一次エネルギー削減量が冬期に最大1.59MJ/日,年間のランニングコスト1,539円/年削減,給湯負荷削減率は3%程度と試算された.集合住宅を想定し複数世帯(5世帯)で熱交換器を共有するは場合では,一次エネルギー削減量が冬期に最大11.4MJ/日,年間ランニングコストは5世帯合計で11,191円/年削減,給湯負荷削減率は5%程度と試算された. 4.QOL向上の視点からの上水予熱の効果を見積もるため,洗顔などの生活行為における上水使用温度調査を行うための実験措置を構築した.2015年度以降に被験者実験をおこなう予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,平成26年度は第2フェーズと位置づけ,熱交換器・蓄熱機能に関する検討と,排水熱回収システムの試作としていた.H26年度実績として,熱交換器の比較検討とシステムの提案までをおこなった段階で,試作に移る前に,第3フェーズと位置付けていたシステムシミュレーションを先に実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度のシステムシミュレーションの結果を受けて,H27年度は排水熱回収システムの設計,提案をおこなう予定である. また,H26年度に作成したQOL向上に係わる被験者実験装置を用いて,上水予熱によるQOL向上を試算する予定である.
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Causes of Carryover |
当初H26年度におこなう予定であった排水熱回収システムの設計,試作を,H27年度に延期したため,予算を一部繰り越した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初H26年度未使用額86万円と,H27年度分として請求した70万円を合わせて,主に排水熱回収システムの試作と成果発表のための旅費,被験者実験の謝礼金として使用する予定である.
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