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2014 Fiscal Year Research-status Report

間接照明による良好な視環境と省エネルギーが両立する照明設計法に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25420617
Research InstitutionChubu University

Principal Investigator

猪岡 達夫  中部大学, 工学部, 教授 (20367668)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords照明設計 / 照度 / 輝度 / 瞳孔の縮動反応 / 誘導視野
Outline of Annual Research Achievements

研究2年目の2014年度は、光源に対する瞳孔の縮動反応についての実験を実施した。同様の実験を2010年度に実施しているが、改めて行った。再度行った理由は、1)前回は被験者が1名と少なかったので、今回は被験者を3名の複数とし、前回の再確認と信頼性を高めた。2)前回は誘導視野外での初期縮動に着目したが、これが必ずしも“眩しさの閾値”を示すものとは断定できなかった。改めて、再実験で確認する必要があった。3)単に光源の位置と瞳孔の縮動反応の関係だけでなく、瞳孔の縮動反応と人の“眩しさ”の感じ方を確認する必要があると考えた。このために実験と同時に被験者へのアンケート調査を実施した。
実験の結果、1)誘導視野外で縮動反応が生じるものの、眩しさ感は低いレベルであることが分かった。2)誘導視野内に入って瞳孔の縮動反応が一層進み、同時に眩しさ感も大きくなった。3)この縮動反応と眩しさ感の傾向はほぼ一致した。4)なお、輝度を抑えた光源では、誘導視野内での瞳孔の縮動反応は小さく、かつ、眩しさ感も低いレベルにとどまった。
これより、問題となるのは誘導視野内での高い輝度であることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度(2013年度)に、講義室において高照度から低照度までの被験者実験を行い、照度と明るさ感、眩しさ、視認性の関係を明らかにした。これより、高照度が必ずしも良い照明の条件ではなく、むしろ眩しく視認性を妨げる要因になることがあった。これより、①照度の他に、②輝度や輝度比などが、良い照明とするための重要な要素であることが分かった。
2年目(2014年度)は、光源の位置関係に着目し、光源の位置と瞳孔の縮動反応の実験を行った。実験の結果、誘導視野内での瞳孔の縮動が眩しさ感とほぼ同じ傾向を示すことが分かった。これより、良い照明とするためには、先の要素の他に、③光源の位置関係が重要な要素であることが分かった。
ここまでほぼ順調に進捗している。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究で、良い照明とするためには、照度の他に輝度や輝度比、光源の位置関係が重要な要素であり、これらが明るさ感や眩しさ、視認性、作業性に強く関係することが分かった。なお、これらの閾値が、例えば、輝度そのものの絶対的なレベルなのか、周囲との輝度比であるのかは、まだ十分に解明出来ていない。
最終年度(2015年度)に、輝度または輝度比の閾値を実験で確認する。なお、今年度(2014年度)に使用した光源のLEDランプ(6種)は極めて輝度が高く眩しい。調光しても限度があった。最終年度(2015年度)は、LEDランプの前面にトレッシングペーパーを重ねることで輝度を調整し、低輝度域までの実験をする予定である。これにより輝度または輝度比の閾値を明らかにする。これら点が明らかになれば、従来の作業面照度を唯一の基準とする照明設計から、光源の位置関係や輝度または輝度比による新しい照明設計法が確立できると考える。
また、良い視環境の形成と同時に、照明の省エネルギーを図らなければならない。照度を抑えるだけではなく、タスク照明とアンビエント照明の併用や不在者消灯などを組み合わせた照明設計法を確立する。これにより照度を抑えつつも明るさ感を保持し、かつ、省エネルギーとなる照明が実現できるものと考える。
なお、従来は輝度を測定することは容易ではなかった(特に広範囲の領域の輝度)。このため輝度を照明設計の基準にすることは出来なかった。現在は、一眼レフカメラで撮影した画像を輝度変換することが可能になっている。これを利用すれば輝度による照明設計も現実的なものになると考える。
また、本研究は間接照明によって良好な視環境を形成しようとしているが、建築的な制約で間接照明が採用できない場合、あるいは、既設の建物で間接照明に改修きない場合の代替案も示す予定である。

Causes of Carryover

計測器具を購入したが、その際の端数が次年度繰越額(27,031円)となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度繰越額(27,031円)は、次年度に実験関連の器具を購入するが、その時に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 良好な視環境の実現に向けて -照明の位置・瞳の縮動・人の感じ方に関する基礎実験-2015

    • Author(s)
      葛谷宗馬・鈴木沙織・村瀬裕太・猪岡達夫
    • Organizer
      空気調和・衛生工学会 中部支部
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      2015-03-09 – 2015-03-09
  • [Book] デザイナーのための建築環境計画 熱・日射・光・風2015

    • Author(s)
      猪岡達夫
    • Total Pages
      228
    • Publisher
      丸善出版

URL: 

Published: 2016-05-27  

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