2015 Fiscal Year Annual Research Report
間接照明による良好な視環境と省エネルギーが両立する照明設計法に関する研究
Project/Area Number |
25420617
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
猪岡 達夫 中部大学, 工学部, 教授 (20367668)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 視環境 / 省エネルギー / 作業面照度 / 輝度分布 / 瞳の縮動反応 / 眩しさ感 / 照明設計法 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在ある多くの照明は直接照明である。直接照明は明るい反面、光源が目に入るため眩しく感じ、グレアを生じやすい。一方、間接照明は輝度が高くならず、視環境としては優れているが、間接的に明るさを得るため省エネルギーの点で不利である。そこで、本研究では省エネルギーかつ良好な視環境が両立する照明の設計方法を研究した。 照明設計では作業面照度の他に均斉度、グレアなど色々な基準はあるが、省エネルギーとの関連でいうと照度が最も重要である。JISの照度基準を事務所についてみると、旧基準(1997年)の300~750lxが、2010年に750lxの単一基準に改定された。しかし、東日本大震災直後の2011年に下限500lx、標準750lx、上限1000lxに再度改訂された。この経緯を見るとJISの照度基準は見直しの余地はまだある。 照明設計の実務の面から言うと複雑な基準はそぐわない。また、測定や検証が難しいものも実用性がない。故に実務では測定しやすい照度を基本とし、かつ、照度を得やすい直接照明とすることがほとんどであった。なお、幸いなことに、デジタルカメラの画像データから輝度を比較的容易に変換する方法が開発された。本研究では作業面照度に加え、視野全体の輝度分布を考慮した新たな照明設計方法を検討した。 照明では照度だけでなく、光源の位置と輝度が重要である。そこで本研究では先ず、①基礎的な実験として光源の位置と輝度をパラメータにした瞳孔の縮瞳実験を行った。②これより光源の位置や輝度と縮瞳反応の関係性について分析した。③実験と同時に被験者に対して眩しさ感などのアンケート調査を行った。④これより、瞳孔の縮瞳反応と人の感覚の関係性を分析した。⑤これらの結果を踏まえ、高輝度輝度を抑えかつ明るさ感を確保し、良好な視環境と省エネルギーが両立する新たな照明設計法を提案した。
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