2014 Fiscal Year Research-status Report
既製ドラム缶を活用した太陽熱・雨水・地中熱による自然冷暖房システムの開発
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25420619
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
市川 尚紀 近畿大学, 工学部, 准教授 (50441085)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パッシブデザイン / 自然エネルギー / 木造住宅 / 雨水 / 太陽熱 / 地中熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、わが国の一般的な木造住宅に採用可能な太陽熱、雨水、地中熱による自然冷暖房システムの開発を行うものである。特に、雨水を地下に貯めて地中熱を蓄える装置として、既製品のドラム缶を連結した独自のシステムの有効性を確認することが本研究の特徴である。具体的には、実物大の木造実験住宅を用いて、太陽熱で温めた雨水による暖房と、地中熱で冷やした雨水による冷房の実験を行い、その効果を定量的に把握することを目的としている。 本システムを構成する装置は1.雨水分流器、2.雨水貯留槽、3.雨水循環ポンプ、4.雨水保温・保冷タンク(既製ドラム缶)、5.タンク切り替え自動制御盤、6.真空式太陽熱温水器、7.熱交換装置(床冷暖房パネル、ラジエータ、ファンコイルユニットなど)である。 現在、近畿大学キャンパス内にある木造実験住宅に、このシステムが構築されており、2013年度に、同実験住宅の2階居室にファンコイルユニットを増設し、1階と合わせて18畳の空間の冷暖房実験が行えるようにした。その際、各部屋のファンコイルユニットが設定温度に合わせて個別に稼働・停止するように配管を並列式で組んだ。そして、2014年度は、構築したシステムを用いて夏(7月~8月)と冬(11月~12月)の冷暖房実験を実施した。この時、タンク切り替え自動制御盤の修理とバルブの調整などを行った。実験の結果、真夏日であっても、このシステムで継続冷房することができることがわかった。冬は暖房可能な時期について把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存システムの故障などのトラブルがあったが、余裕を持ったスケジュールであったため、当初の計画は実行できた。 しかし、夏季が例年よりも冷夏であったことと、冬季は降雪が多かったことが原因で、実験データはやや不足気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、2014年度と同様の実験を行い、冷暖房運転に必要な条件をより詳細に検討するためのデータを収集する。
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