2015 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア歴史都市デザインプロセスへの都市冷却効果検証モデルの組込と性能評価
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25420651
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠崎 道彦 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (60241014)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マレーシア / マラッカ / 歴史都市 / 都市デザイン / 都市景観 / 都市熱環境 / 地域緑化 / ウォーカビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は,3パターンの地域緑化シナリオに基づく微気候シミュレーションを深耕させるとともに,自動車交通量の削減が期待できるシナリオベースの交通排熱量削減の予測を行った。緑化による影響は樹木下だけでなく,交差点や街路沿いのオープンスペースにも波及していること,域内全体の温度低減に寄与していることが分かった。また,植栽を新設した歩行者専用道路上では,平均約0.8°Cの周辺気温低減と約7°Cの地表面温度低減の効果がみられた。また,通過交通量を最大25%減とすることで7.2%,最大50%減とすることで15.9%の交通排熱量削減に繋がることが明らかとなった。 以下に研究期間全体を通じて実施した研究成果についてまとめる。 ①デジタル化された空間基盤データ,高解像度航空写真および現地調査から樹木・緑地・空地分布マップ,建物外形データからなるデータセットを作成した。また,土地利用現況図,建築物の外形および高さの現況等からなる主題図を作成,編集補正した建築物ファサード写真を参照し,建築物高さを推定した。 ②データセットを活用し,既存建築物の形状,現況緑被・樹木分布,土地被覆現況,気象観測データを入力値とした微気候シミュレーションを行った。地区の面的な気温分布,風速分布の現況を把握した。 ③気温,風速,可視・不可視領域の判定結果,Space Syntax理論に基づくThrough Vision値を重合,空間の統合度を示すIntegration値をオーバーレイし,地区緑化へのポテンシャルが高い緑化推奨空間の抽出を行った。 ④以上をもとに域内緑化シナリオを作成,シナリオ別の微気候シミュレーション適用と,域内の通過交通量予測に基づく交通排熱変化と緑化シナリオとの関係について分析を行い最終年度の成果を得た。
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Research Products
(4 results)