2014 Fiscal Year Research-status Report
ベトナム・ハノイ36通り地区の景観および居住空間の保存すべき特質
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25420652
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
内海 佐和子 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10398711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福川 裕一 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60130829)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 町並み保存 / 過密居住 / 居住空間 / ワークショップ / 継承されているデザイン / 国際情報交換 / ベトナム / ハノイ旧市街 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究チームは、2003年よりハノイ市人民委員会、および市の機関である36通り地区保存管理事務所の協力を得、当地区の保存活用に必要な基礎資料採取を目的とした総合調査を実施してきた。その一環として、13年迄に120軒の町家に対し、実測による図面採取および居住環境に関する調査を行った。そのうえで、これらの採取データを資料とし、14年9月、ハノイ市においてワークショップ ”Workshop on Conservation of Hanoi 36 Street, 2014”(以下、WS)を実施した。 このWSでは、第1級保存地区であり、且つ過去の調査対象が多く含まれる、LuongNgoc Quyen通り、Hang Giay通り、Hang Buom通り、Ta Hien通りに囲まれたブロックを提案対象とし、ねらいを①これまでの採取データから、当地区の保存すべき特徴を把握したうえで、デザインコードを提案すること。②新しい建物を建てる際の具体的なプランおよびデザインを考え、当地区の将来像を提示すること。③その提案を実現するためのシステムを提案するとした。これまでにも当地区に対しては、ベトナム国内外の機関から保存活用提案がなされ、その一部は実施されてきたが、それらは外国を中心とした専門家や行政主導であり、住民参加は希薄である。また、現在のベトナムにおいては住民参加型WSの開催は難しいといった側面もある。そこで、今回は日本およびベトナムの学生によりWSを実施した。 そこから、ベトナムの学生は対象のブロックに対し、専門家や行政とは異なる現実に近い意見や問題意識を有していたものの、住民ではないために限界があること。より現実に即した実践的提案を導き出すためには、実際にそこで暮らす住民が中心的にWSに参加する必要があることを把握し、今後のベトナムにおいける住民参加型WSの重要性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度、2年度ともに、計画していた調査、日本建築学会大会梗概集の提出といった一連の事項が、予定通りに遂行されたため。また、ベトナム側カウンターパートと次年度に関する打ち合わせも既に行うなど、次年度の準備にも着手しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度、2年度と計画通りに研究は進んでおり、これまでに問題は見あたらない。また、ベトナム側カウンターパートとの次年度の計画に関する打ち合わせにおいて、研究内容の確認も行っており、最終年度も当初の計画通りに研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
平成26年9月に実施したハノイ出張の経費精算のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度8月(予定)のハノイ出張の精算に充当する。
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