2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25420655
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
市岡 綾子 日本大学, 工学部, 講師 (90343574)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 住民意向 / アンケート / まち資源 / 赤瓦 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度末には東日本大震災後5年が経過することを鑑み、震災直後では新生須賀川のまちづくりにおいて具体的に見えていなかったことが、徐々に公共施設が新たに改築されるなど、今では住民にも新生まちづくりの姿が理解されるようになったことから、震災直後と比較した住民意向の変遷を探るとともに、新生まちづくりに対する住民の意見収集を目的としたアンケート調査を実施した。また、歴史的なまち資源として、須賀川産赤瓦が景観上の主要な要素と捉えられている傾向を踏まえ、住民への認知度と景観資源としての取り扱いなどに関する意見の収集も同時に試みた。 現在、最終分析中であるが、震災直後に関する情報は、5年経過したことで冷静に判断し記述されている傾向がみられ、5年という時間の経過で生活が徐々に平常化し、自分が住み続けるまちについて、将来像をイメージしたまちづくりに関する自分の意見を持てるようになったと推察される。歴史的なまち資源として捉えた赤瓦については、若い世代や新規参入した住民には馴染みがなかったものの、アンケート実施により意識が高まり興味をもつ回答者もみられ、情報の共有と継続性の視点から考えると、アンケート実施による情報の普及も確認できたことは一つの成果と捉えられる。失いたくない建物として挙がった事例は、まちの遺産となる価値を共有認識できるよう説明し、多くの住民と共有化を図る活動が求められる。 また、歴史的なまち資源の活用という見地からみると、須賀川市の中心市街地では、江戸時代から続く「あきんどのまち」を次世代に継承すべく積極的に遊休不動産の利活用が行われている。新たな来街者の開拓を目的とした現代的な手作品マーケットと連動させるとともに、まちに縁のある偉人にまつわるまち資源を活用している実態を把握した。今後のまちづくりでは、建物と物語性を融合させた歴史的なまち資源の活用が望まれる。
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Research Products
(5 results)