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2013 Fiscal Year Research-status Report

地球環境の持続可能性からみたリチャード・ノイトラの建築に関する建築意匠論的研究

Research Project

Project/Area Number 25420683
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

末包 伸吾  関西大学, 環境都市工学部, 教授 (10273757)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords近代建築 / 持続可能性 / 建築思想 / 建築意匠 / リチャード・ノイトラ
Research Abstract

1)ノイトラの環境との呼応に関する主概念の抽出
約400ページにおよぶ「Survival Through Design」については,すでに下訳とともに仮分析を終えており,本年度は訳文の再検討とともに,ノイトラの環境との呼応という思想の主軸となる諸概念を再検討し,その抽出を行う.現在,仮説的にあげている最も重要な概念としては,「時代認識」,「生理学的空間」,「建築家の職能」という概念である.その3つの概念の下,「歴史の流用に対する批判」,「手段としての科学」「健康によるサバイバル」,「必要条件としての生理学的空間」,そして「空間の連続性」といった概念が,概念的なレベルから手法的なレベルにいたるまで展開されているという仮説が予備的検討によってもたらされているこの予備的検討をさらに精緻化し,先に抽出した主概念の概念規定を行うとともに,そこでの検討をふまえ,ノイトラの建築論の主概念間の関係を,構造化し,後の建築思想と建築作品の分析の枠組みを導く.
2)主概念に基づく空間構成の分析手法の検討
ノイトラの建築思想から抽出された主概念をもとに,そこでも建築思想が建築作品に,どの様に展開されるのか検討を行い,後の分析の視点とともに手法として提示する.仮説的には,内外空間の関係,特に内外の境界面の設定における環境との呼応,全体のヴォリューム構成における環境との呼応,さらに通風・遮熱性からみた素材や空間構成などがあげられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

約400ページにおよぶ「Survival Through Design」については,すでに訳文の再検討とともに,ノイトラの環境との呼応という思想の主軸となる諸概念を再検討し,その抽出を行った.その結果.現在,最も重要な概念としては,「時代認識」,「生理学的空間」,「建築家の職能」という概念を導いた.そうした3つの概念の下,「歴史の流用に対する批判」,「手段としての科学」「健康によるサバイバル」,「必要条件としての生理学的空間」,そして「空間の連続性」といった概念が,概念的なレベルから手法的なレベルにいたるまで展開されているという仮説がもたらされている.この予備的検討をさらに精緻化し,先に抽出した主概念の概念規定を行うとともに,そこでの検討をふまえ,ノイトラの建築論の主概念間の関係を,構造化し,後の建築思想と建築作品の分析の枠組みを導く等,本年度の研究に結実した.

Strategy for Future Research Activity

1)ノイトラの建築思想における主概念の概念規定(25年度の継続):25年度に抽出した主概念について,その内容を検討し,主概念の規定とともに環境との呼応という観点から,それらの構造化を行う.
2)ノイトラの建築思想の建築作品への具現化に関する考察
・分析対象作品のVRによるCGモデルとしての再現
著者が行ってきたノイトラの建築作品の空間構成に関する研究の結果,彼にとっての重要作品として,ロヴェル邸,V.D.L.リサーチ・ハウス,カーン邸,砂漠の家,トレメイン邸の5作品を仮説的に抽出している.これらは,すでに解体や大幅な改築が行われた作品が過半を占めるため,まず,これらの作品についてVRを用いたCGによる再現を,ロサンゼルスやサンフランシスコでの資料収集,現地調査等に基づき実行し,後の分析の資料として完成させる.また,高温下での建築のあり方を検討する本研究課題において,開口部や壁・屋根のディテール等への検討も必要である.筆者は,建築家としての実務経験も多数有していることをいかし,こうした詳細な点での検討を行う.
・建築作品の分析を通じたシンドラーの概念規定の再検討:平成25・26年度に行ってきたノイトラの建築思想における主概念の概念規定とその構造をもとに,これらの概念規定が建築作品にいかに投影されているのかを検討し,彼の建築思想における概念規定を,環境への呼応に対する建築的操作という視点から,より明確に定位する.さらに,作品との関係から導かれたノイトラの建築思想の特質について,再度,構造化を図る.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

米国への研究資料収集の経費が想定していたより安くすんだため,残額は約24,540円であり,26度に計画している調査旅費・資料収集に充填する.
本年度に計画している米国での研究資料収集の調査旅費・資料収集に充填する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 論考の主題にみるルドルフ・シンドラーの「空間建築」2013

    • Author(s)
      末包伸吾
    • Journal Title

      日本建築学会 計画系論文集,

      Volume: 第684号 Pages: 509-517

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] リチャード・ノイトラ:庭

    • Author(s)
      末包伸吾
    • Organizer
      第10回レクチャー建築の20世紀連続講演会
    • Place of Presentation
      設計工房CASA
    • Invited

URL: 

Published: 2015-05-28  

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