2015 Fiscal Year Annual Research Report
銅基合金中に形成されるナノ磁性粒子の特徴的組織と磁気特性の関係
Project/Area Number |
25420689
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
竹田 真帆人 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30188198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノグラニュラー磁性体 / 析出 / 組織発展 / 磁気特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではCu-Ni-X合金に見られる析出現象を用いて微細構造と磁区構造、磁気特性の変化を調べ、グラニュラー磁性体における微細構造と磁気特性の関係を明らかにすることを目的とした。Cu-Ni-X合金単結晶を作製し、ナノ磁性粒子の組織や磁区構造、磁気特性、局所領域の組成分析のために電子顕微鏡やPEEM SQUID、MTG等を応用した。実験結果の解釈にはAkaiKKR、LLG計算を用いた。時効温度、時効時間による析出組織について詳細に検討した。析出粒子は時効温度が高いほど、長時間ほど大きくなるが、その過程で球状から立方体への形状変化とランダム分布から母相の<100>方向に配列する等、特異な組織が観察された。FeNi合金ではL1o規則相が有望視されているが、本合金の相分離では強磁性元素の多い析出粒子とCuの多い母相に分離した。高温では規則相は存在しなかった。ナノ磁性粒子のバンド構造と磁区構造 Akai KKRとLLG計算を用いて析出粒子の電子構造と磁区構造について検討したところ、組成変化による状態密度の変化が確認された。単磁区構造から多磁区構造に変化する傾向は粒子サイズ、形状によって異なることがLLG計算より確認された。PEEMによる磁区構造の直接観察では磁化方向が周辺の粒子の影響を受け、交互になっていることが判明した。SQUID測定によると低温では時効進行によって超常磁性から強磁性に変化したが、高温では粒子形成が見られても超常磁性的挙動を示した。AC磁化測定によると、急冷状態で磁性相が2種類見られた。熱磁気天秤を用いて時効条件の変化による磁性析出粒子の磁化の温度依存性とキュリー温度について検討した。MTG曲線から材料のキュリー温度は磁性析出粒子の組成、サイズ、形状の影響を受けて変化することが分かった。
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Research Products
(13 results)