2015 Fiscal Year Annual Research Report
延性二相合金における重層的な強化機構と高温変形律速機構の解明
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25420693
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤原 雅美 日本大学, 工学部, 教授 (40156930)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 延性二相合金 / 計装化押込み試験 / クリープ特性値 / クリープ構成式 / FEシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
従来,母相と強化相が延性を有する二相合金のクリープ特性値(例えば,応力指数や活性以下エネルギーなど)の解釈は,単相合金のクリープ理論をそのまま適用し,実験値は二相合金の変形で主要な役割を担う強化相の変形律速機構の特性値を表すとした報告が多く見られる.また,このときのクリープ特性値が変形速度によって変化する理由は不明なままであった.本研究において,二相における複合則と適合則,各相における累乗則を仮定した変形モデルによる理論解析によれば,延性二相合金のクリープ特性値は各相の特性値,体積比,応力比によって重み付けされた平均値を表し,変形速度によって各相の応力比が変わるため,それに応じた各相の中間値をとることが示された.この結果はFEシミュレーションによっても確認された.従って,延性二相合金の実験結果を単相合金のクリープ理論で解釈する場合は,十分な注意が必要である(変形速度が極端に速いか遅いときにだけ正しい).例えば,微細粒α-Mg相(応力指数2)とラメラ状LPSO相(応力指数5)からなる延性二相合金では,実験から得られる応力指数nは変形速度によってn=2~5の中間値をとり,低速変形の場合はn → 5となって荷重を多く分担している強化相(LPSO相)が全体の変形を主に支配し,逆に高速変形の場合はn → 2となってマトリックス(α-Mg相)が全体の変形を支配することが判明した.今後は,母相と強化相の結合性を評価する強化係数を理論式に導入し,強化相の配置がクリープ挙動に及ぼす影響について調べる所存である.
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Research Products
(12 results)