2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ex situ processed MgB2 condoctors with strong grain connectivity
Project/Area Number |
25420696
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
藤井 宏樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高温超伝導線材グループ, 主席研究員 (80354306)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高エネルギー粉砕処理 / ピン留め点 / 上部臨界磁界 / 高活性粉末 / 結晶子サイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
Powder-In-Tube(PIT)法のうち、ex situ法で作製したMgB2線材に於いて、充填粉であるMgB2粉末を予め粉砕処理するとピン留め点の導入などにより臨界電流密度(Jc)特性が改善されることが知られていた。本研究ではその粉砕エネルギーを従来より高め、且つ得られた高活性粉末の取り扱いに注意して線材試料の作製を行った。 同製法によるこれまでのJc報告値は、4.2K、12Tにおいて40A/mm2であったが、本研究ではおよそ4倍の170A/mm2に達した。この理由として、従来の充填粉よりも結晶子サイズが一層低下し、上部臨界磁界(Hc2)が向上したこと、及び高エネルギー粉砕により充填粉の活性度が増加し、線材の最終加熱処理温度が700から750℃程度となって100℃以上低下したことが挙げられる。加熱処理温度の低下により、MgB2微粒子の酸化や分解による異相の生成が抑制されて、超伝導相の体積分率の低下や結晶粒間の弱結合化を防ぐことに有効となる一方、MgB2コア層とシース材との界面での反応も抑制される。 こうして得られたJc特性は、in situ法を含むPIT法で作製した炭素置換MgB2線材のそれと既に同等であるが、本手法で炭素置換MgB2粉を充填粉として用いれば特性の一層の改善が期待できる。また、最も優れた特性を示すInternal-Mg-Diffusion(IMD)法MgB2線材のJc特性と比較すると、本研究で得られた特性はまだまだ劣っているが、シース断面積を含めたengineering Jc(Je)特性で比較すれば、かなり近づいた値にまで向上してきた。
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