2015 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム高ホウ化物MgAlB22の創製と高硬度材料としての探索
Project/Area Number |
25420716
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
岡田 繁 国士舘大学, 理工学部, 教授 (40191952)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アルミニウムマグネシウム22ホウ化物 / アルミニウム自己フラックス法 / 金属マグネシウム / 結晶性ホウ素 / アルミニウムマグネシウム14ホウ化物 / エネルギー分散型X線分析計 / 格子定数 / 硬さ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究では、アルミニウムマグネシウム22ホウ化物MgAlB22(斜方晶系)結晶を、アルゴンガス雰囲気中、Al自己フラックス法を用いて合成した。出発原料として金属マグネシウムMg或いはフッ化マグネシウムMgF2と結晶性ホウ素Bから合成する方法を報告した。しかし、出発原料としてMgF2を用いた場合にはアルミナ製炉心管との反応が激しく、損傷も大きかった。そこで、平成27年度の研究では原料としてMgとBを用いてMgAlB22の合成実験を行った。合成条件は、Al自己フラックス中、配合比B/Mg = 2.0、加熱温度1400℃、5時間保持で、Arガス雰囲気中で行った。その結果、MgAlB22は、MgAlB14との混合相で、単相として得ることができなかった。しかし、結晶形態の違いからMgAlB22だけを選別して得ることができた。また、平成27年度の研究はリチウムLi或いはナトリウムNaを含むMgAlB22の合成を試みた。その場合、原料は、Li源としてLi2B4O7或いはNa源としてNa2B4O7を用いて、それぞれの添加物を全量に対して5.0 at%になるように加えた。加熱実験後、過剰のAlフラックスを希塩酸で溶解処理して結晶を取り出した。得られた結晶は黒色を呈した0.3 mm程度の大きさであった。生成結晶は、X線回折計で生成相の同定と格子定数値を測定し、電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析計(EDS)で結晶形態と大きさ及び組成分析を行った。更に、ビッカース微小硬さを測定した。その結果、EDS測定からMgAlB14には少量のNaが固溶していたが、MgAlB22中にはNaの確認が殆どできなかった。また、EDSから両結晶ともLiの確認ができなかった。MgAlB22の格子定数は、a = 1.663 nm, b = 1.756 nm, c = 1.017 nmで、ほぼ一定値であった。以上より、MgAlB22中にはLi或いはNaが固溶することが殆どないことが分かった。MgAlB22結晶の硬さは、25.4(0.5) GPaで、報告されている高ホウ化物中でも高い値であることが確認できた。
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