2015 Fiscal Year Annual Research Report
導電体ネットワークを内包した刺激応答性ハイドロゲルの構築とその応用に関する研究
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25420730
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
手塚 美彦 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (80236976)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 導電性ポリマー / レーザーアブレーション / 電解重合 / ポリチオフェン / 微細断片化 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞培養や細胞マニピュレーションに応用できる新素材の開発を研究目的とし,導電性ポリマーとハイドロゲルとのハイブリッド化を研究目標としている.今年度は,レーザーアブレーションを用いた導電性ポリマー/ハイドロゲルフィルムの微細加工および導電性ポリマーの微細断片化を行った.導電性ポリマーをナノからサブマイクロメートルのオーダーで微細断片化することができれば,それをハイドロゲルの重合溶液中に分散させることにより,容易に導電性ポリマーネットワークをハイドロゲル中に内包することが可能となる.しかし,レーザーアブレーションによる導電性ポリマーの微細断片化はほとんど報告例がない.これは,レーザーの繰り返し照射によりポリマーの光分解が進行するためである.実際,ポリチオフェンの吸収ピーク波長に近い532 nmのレーザーアブレーションでは,形成されたポリチオフェン断片のほとんどが炭化した.そこで,ポリチオフェンのエレクトロクロミズムを利用して,光分解を抑制しながらポリチオフェン薄膜のレーザーアブレーションを行う方法を考案した.ポリチオフェンは酸化状態ではギャップ内準位の存在により近赤外域に吸収にもつ.この性質を利用して,白金電極上にポリチオフェン薄膜を電解析出させ,ポリチオフェンが酸化状態となる電位を印加した状態で波長1064 nmのナノ秒レーザーを照射した.レーザーアブレーションによってポリチオフェンは50マイクロメーター以下に微細化され,その平均粒径は5マイクロメーターであった.微細化されたポリチオフェン断片は,電解質溶液中に存在する微量の水や対極で生成する還元性分子によりすみやかに脱ドープされ,波長1064nmに吸収をもたなくなる.よって,ポリチオフェン断片の光分解の進行は抑制された.
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Research Products
(1 results)