2013 Fiscal Year Research-status Report
金属材料の耐水素脆化特性と表面酸化膜構造の関係解明
Project/Area Number |
25420750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
伊藤 吾朗 茨城大学, 工学部, 教授 (80158758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伸英 茨城大学, 工学部, 准教授 (70203156)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 金属材料 / 水素脆化 / 水素挙動 / 第2相 / 金属間化合物 / 酸化皮膜 |
Research Abstract |
これまでの研究により、水素脆化を起こすことが分かっている7075アルミニウム(Al-Zn-Mg-Cu-Cr)合金において第2相であるAl7Cu2Fe相から水素が侵入することが示されている一方、この化合物がほとんど存在しない(CuやCr、および不純物のFeをほとんど含まない)Al-Zn-Mg合金においてより顕著に水素脆化を生じることが報告されている。 そこで、Al7Cu2Fe相のみを有するAl-Cu-Fe合金、Al-Zn-Mg合金の主要な強化相であるMgZn2相のみを有するAl-Zn-Mg合金を作製し、水素を可視化する手法であるトリチウムオートラジオグラフィ(TARG)および水素マイクロプリント法(HMPT)を用いて、水素挙動を調査した。その結果いずれの合金においても母相からの水素の侵入は認められず、第2相のみから水素が侵入すること、Al7Cu2Fe相のほうが、MgZn2相よりも侵入サイトとしての有効性が高いことが分かった。これはそれぞれの金属間化合物上の酸化皮膜の性状の違いが関与していると考えられた。そこで、それぞれの合金および比較材としての99.99%の純アルミニウムを蒸留水に浸漬し、その後の表面状態を観察することで、酸化皮膜の状態を調査したところ、純アルミニウムには腐食生成物が生じず、各化合物上には腐食生成物が生じていたが、Al7Cu2Fe相のほうがMgZn2相に比べて、その生成量は多くなっていた。過去の研究で、耐食性の低い酸化皮膜は透過能が高いことがわかっている。このことから、表面酸化皮膜の水素透過性は、Al7Cu2Fe相が最も高く、MgZn2相、母相(純アルミニウム)の順に透過しにくくなると判断された。しかしAl7Cu2Fe相がほとんど存在しないAl-Zn-Mg合金においてより顕著に水素脆化を生じる点については、この結果から説明ができない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の想定と異なり、単相材料にない、水素挙動が明らかになったため、それに関する究明を行ったため、当初の計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の究明はほぼ終了したので、25~27年度予定分を残りの26、27年度の2か年で行う。自前の解析装置が使えない実験は、行わないこととし、各種金属材料の水素挙動に及ぼす板厚の影響と耐水素脆化特性の評価を重点的に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費(消耗品)はほぼ計画通り使用できたが、内外の旅費が予定を超過し、逆に謝金とその他経費が予定を下回り、結果的に次年度使用額がわずかに残った。 次年度使用額は1万円未満であり、旅費に上乗せすることにより、効果的に研究を進める計画である。
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Research Products
(2 results)