2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420752
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森川 淳子 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (20262298)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱伝導性 / 熱の可視化 / ミクロスケール赤外線画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
より精密な可視化熱画像を得るための赤外線カメラによるミクロスケール熱画像装置の開発を行なった。動的加熱装置(変調レーザーによるスポット照射,および面内(xy)走査)等の独自の加熱システムを設計し,赤外線カメラシステムとの統合をより厳密に行った. 動的熱現象を測定するレーザースキャン法では,強度変調マイクロフォーカスレーザーのスポット照射位置を面内で移動させ、スキャンしながら試料に照射することで,加熱後の温度残像から熱拡散の位相画像を得ることに成功した。加えて,レーザースポット加熱は試料の上面,下面の両面から各々の照射を可能とし,試料内厚さ方向の熱伝導について,数学的モデルの比較が可能となった。この手法を,フィラーを含む発泡断熱材の熱伝導性の可視化に応用した。S/N比の良い熱画像を得るために,擬似高速化の手法を取り入れ,高次高調波を含む断熱材の位相画像を得た。 一方,材料設計には,化学構造に関する情報が必須であることから,分光した赤外光の照射により透過スペクトルを得ながら,熱画像を得る測定装置を設計試作した。これは当初予定していた波長可変赤外レーザーの入射によるスペクトル測定の準備段階のためであったが,十分な強度と良好な中赤外線波長域の透過スペクトルを得ることができた。さらに、赤外線カメラのセンサーの種類を,量子型から熱型に変更することで,携帯型の赤外線画像取得が可能になるが,そのための光学系を作成し, 実際に携帯型の動的顕微熱画像可視化装置の試作も行なった。以上の手法をさらに応用して,炭素系フィラー含有の発泡断熱材の熱伝導性可視化に熱型赤外線FPAによっても成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
赤外光源を分光により単波長で試料に照射することができるようになり、熱画像と赤外線スペクトルの同時測定の可能性を実験により確認した。マルチスペクトル熱画像の可視化という観点から、予定どおりの進捗状況であり、実験手法のうえでブレークスルーを捉えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
赤外線中波長領域の熱現象を、熱画像と赤外線スペクトルの同時測定によりとらえ、熱伝導性を発現するための因子について検討を進める。
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Causes of Carryover |
中赤外波長可変レーザーを選定するにあたり、赤外分光光源によっても良好な結果が得られることがわかり、設計を変更し、回折格子と光学系を試作したことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
回折格子および光学系のミラーの選定により、入射短波長の波長領域の格調するための試作を行なう。
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Research Products
(8 results)