2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420755
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石本 卓也 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50508835)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人為的負荷 / 骨配向化 / オステオサイト / 骨質 / 配向化機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
応力場を用いた骨質制御による骨力学機能化の達成のため、① オステオサイト(骨中で応力感受を担うとされている細胞)を介した応力によるアパタイト集合組織の改変機構の解明、② 応力を用いたin vivoでの配向性・骨力学機能の人為的制御を両輪とし、研究を遂行している。 平成26年度は、前年度に確立した動物骨への人為的応力(ひずみ)負荷モデルを駆使し、骨に通常よりも大きなひずみを人為的に負荷することで、負荷したひずみ量に依存して、骨量(骨断面積)、骨密度、そして骨配向性が変化し、結果として骨力学機能が変化することを定量的に示すことに成功した。さらに、骨改変が生じるためのひずみの閾値を同定した。すなわち、外部からの人為的荷重負荷による骨微細構造ならびに力学機能の制御の指針を初めて得た。 さらに、疾患骨での配向性、力学機能制御の可能性を探るため、骨粗鬆症動物モデルを作製、人為的負荷を行い、本モデルにおいても配向化を達成した。興味深いことに、本骨粗鬆症モデルへの人為的負荷において、正常骨への負荷よりも顕著な骨配向化が生じたことから、負荷に基づく配向化を促進する因子の存在が示唆された。本モデルに基づき、現在、こうした力学的負荷に基づく骨改変に寄与する生物学的因子、とりわけオステオサイトに関連する発現タンパク等の同定を目指して研究を進めており、特定のタンパク発現の変化が生じている状況下では、応力負荷による骨配向化が有意に促進されることを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H25年度の研究進展に基づき、H26年度も当初計画を前倒しして研究推進している。一例として、「研究実績の概要」欄に記載の疾患骨に対する負荷応答の解析については当初H27年度実施予定であったものを前倒して実施し、それに基づき、新たな、生物学的観点からの骨配向化制御因子の候補を見出している。したがって、2年目としての当初計画を上回る進展があったと自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度に見出した骨配向化制御因子の候補となるタンパクについて、その妥当性を検討する。さらに、種々の状況下での人為的負荷に対するオステオサイトの幾何学的、生物学的感受性の変化を、共焦点レーザー顕微鏡やナノCT、各種免疫染色法を駆使して定量的に解析する。最終的には、in vivo応力(ひずみ)と、オステオサイトの機能の観点から、生体内での配向化機構を理解するとともに、人工的かつ定量的なひずみ負荷による配向性制御の実現を目指す。
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Research Products
(7 results)