2014 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ材料試験による相変態を伴う水素脆化機構の解明
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25420758
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
峯 洋二 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (90372755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 和希 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60163193)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 構造・機能材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
水素脆化に直接影響を及ぼす局所強変形組織の力学特性を正確に把握することができれば,マルチスケールシュミレーションに基づいた強靭化設計が可能となり,安心・安全な社会の実現に大きく貢献できる.き裂の先端では強変形を受けて生来の組織とは異なる組織が局所的に発達する.特に,オーステナイト鋼の水素脆化においては,局所的に起こる相変態の役割が鍵となる.しかし,従来の材料試験では,未変形部が大部分を占める材料全体の平均的な特性しか評価することができない.そこで,本研究では,メゾスケールでの力学特性評価が可能なマイクロ材料試験によりき裂先端近傍に発達する組織の力学特性を直接評価するとともに,その変形挙動について金属組織学的手法を組み合わせて解析し,相変態を伴う水素脆化の機構を明らかにする.平成26年度は昨年度確立した疲労き裂進展挙動のその場観察手法を用いて,準安定オーステナイト系ステンレス鋼SUS304について調査を行った.疲労き裂進展に伴う先端での塑性変形について白色干渉計による計測を行うとともに,発達したマルテンサイト組織の特徴付けを行った.次に,疲労試験に供するミニチュアCT試験片について,pH = 1の硫酸水溶液を用いて液温353K,電流密度27 A/m2で陰極チャージを行い,水素プリチャージ材における疲労き裂進展挙動の調査を行った.未チャージ材との比較を行うことで,き裂先端に発達するマルテンサイト組織の明確な相違と水素による疲労き裂進展速度の増加が認められた.また変形双晶の形成について調査するため,Fe-19Cr-16Ni合金単結晶を準備し,マイクロ引張試験を実施した.その成果について,国際会議で3件,国内会議で4件の発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた未チャージ材および水素チャージ材を用いた疲労き裂進展挙動の調査が順調に進んでいる.また,双晶の関与した変形挙動を調査するために,単結晶のマイクロ引張試験を並行して行うことができている.
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Strategy for Future Research Activity |
き裂先端組織より収束イオンビーム加工装置を用いて,マイクロメータ寸法の片持ち梁試験片を採取し,曲げ試験に供する.さらに,マイクロ試験片に水素チャージを行い,水素脆化におけるき裂先端に発達した組織と水素の役割について検討する.
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Causes of Carryover |
次年度に予定している国際会議発表への予算を確保するため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議発表のための海外渡航費にあてる.
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Research Products
(7 results)