2014 Fiscal Year Research-status Report
Mgの結晶ランダム・微細化により室温でのねじ転造を実現するねじり戻し調製法の開発
Project/Area Number |
25420774
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
古井 光明 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (90262972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
會田 哲夫 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 准教授 (20283062)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ねじり戻し調製 / ランダム結晶 / 結晶粒微細化 / 室温ねじ転造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ねじり戻し変形を利用したマグネシウム素材の調製による新しいねじ転造プロセスを開発することを目的として、種々の温度や回転速度でねじり戻し加工した後、室温にて転造したAZ91Dマグネシウム合金ねじのミクロ組織や機械的性質を調査した。最も速いねじり回転速度である25rpmで加工したねじり戻し加工材のミクロ組織は、動的再結晶による微細化が顕著となる試料の外周部において約8μmの微細組織が得られた。なお、658K以下の温度でねじり戻し加工した試料には、β-Mg17Al12相の晶出が認められた。ねじの山部・谷部の硬度はねじり回転速度によらずほぼ一定の105HVとなった。この硬度は市販の受入れ材よりも10HVほど高い。最適な条件でねじり戻し調製した後、室温転造したM8メートル並目ねじは、外径・内径・有効径などのJISの寸法規格を満たすと共に、山部・谷部にクラックなどの欠陥がない健全品であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ねじり戻し加工のパラメータの最適化により、室温にて健全なねじ転造を実現したことから、研究は概ね順調に進展していると言える。X線回折により組織のランダム配向化は確認できているものの、メカニズムの解明までには至っていない。SEM/EBSPを用いた、ねじの局所領域における結晶方位解析を行い、その結果をねじり戻しねじ転造の加工条件の探索や、ねじの機械的性質の向上へとつなげていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は平成26年度の研究において不十分な、ねじり戻し変形に伴うランダム・微細結晶の形成機構を、結晶方位,結晶粒径,結晶粒形状の因子から明らかにする。得られた知見から、より高品質なねじを製造するための条件設定に対する指針を得る。製造したねじの機械的性質や表面性状について、ねじり戻し調製なしのそれらと比較すると共に、JIS規格の標準品と照合する。また、ねじり戻し調製転造したねじに423K,最長3456ksの時効処理を施し、加工硬化と時効析出硬化を最大限発揮したねじの強度特性を明らかにする。
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