2014 Fiscal Year Research-status Report
プレス成形における素材の初期残留応力の影響の予測・評価手法の確立
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25420776
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
早川 邦夫 静岡大学, 工学研究科, 教授 (80283399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井田 喜久 静岡大学, 工学研究科, 教授 (10334955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 残留応力 / プレス成形 / 矯正加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.矯正工程中の金属板材の残留応力の高精度有限要素解析,および3.板材の初期残留応力がプレス成形部品の寸法精度・強度に与える影響の予測・評価: ローラーレベラーによる矯正工程を模擬した繰返し4点曲げの有限要素解析において予め仮定した矯正前の初期残留応力に対して,曲げ加工の残留応力を解析した.高精度な材料構成式を適用し,繰返し曲げ加工工程中の残留応力の板厚方向応力分布ならびに除荷後の残留応力分布の妥当性を検証した.さらに,プレス成形シミュレーションにおいて,矯正時に導入された残留応力の有無が,加工後の残留応力分布および形状に及ぼす影響を評価した.対象として,(1)長方形素板をローラーレベラーを模擬した繰り返し4点曲げ後のハット曲げ加工,(2)実生産(多段工程)されるプレス成形部品を選択した.成形実験,残留応力測定と同時に有限要素解析を行った.その結果,局所的な変形を伴わない領域でも,加工中に降伏応力を超える張り出し/圧縮や曲げ変形を受ける領域では,初期の残留応力の数倍の応力が付与されるため,初期残留応力の影響はほとんど消失することがわかった.逆に,加工中に降伏応力を超えるような応力が与えられない領域では,初期残留応力の影響により,寸法精度の低下が見られることがわかった. 2.矯正前後の残留応力のX 線評価装置による測定: 圧延鋼板の矯正応力や表面残留応力のその場測定に適用できるcosα法に対して,高精度測定が可能な新手法を提案し,同手法により測定精度を飛躍的に向上させることができた.さらに,圧延鋼板を用いた繰返し曲げ実験を行い,残留応力測定精度を検討した.本検討結果から,X線による高精度な非破壊応力評価には,平均的な弾性的性質を実測し,X線応力測定に必要な特定回折面の応力定数(回折面の弾性ひずみからマクロ応力を求める変換係数)を求める必要があることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度当初に計画した研究目標は大きく分けて,1.初期残留応力のプレス成形解析に及ぼす影響の調査と,2.ポータブル性に優れたcosα法残留応力測定装置による鋼板残留応力測定の高精度化であり,その両方について,概ね目標を達成できた.
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成26年度で得られた実験結果の信頼性を向上させる. 2.より複雑なプレス成形品に対して,初期残留応力の考慮の効果を明らかにする.
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Causes of Carryover |
実験経費が予算よりも少額で済んだため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の実験用予算として組み入れる.
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Research Products
(3 results)