2013 Fiscal Year Research-status Report
フェムト秒レーザーを用いた新機能生体適合材料の創製
Project/Area Number |
25420777
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (90273713)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フェムト秒レーザー / 酸化チタン膜 / エアロゾルビーム / 周期的微細構造 / 偏光制御 / 生体適合性 / 細胞試験 |
Research Abstract |
レーザーとして保有する平均出力1W、繰り返し率1kHz、パルス幅150 fs、基本波長775 nmのフェムト秒レーザーを使用し、集光位置を常時観測、かつ、集光スポット径可変の集光照射とともにレーザーエネルギー制御可能なレーザー照射系ユニットの設計・製作を行った。また、周期的微細構造の溝の方向を制御するための偏光制御ユニットを集光レンズ前に設計した。 周期的微細構造を形成するために酸化チタン膜への投入エネルギーを高度に制御するためのメカニカルシャッターを光軸にセットし、開口時間を制御することでレーザー照射時間制御を可能にした。設定した場所に対して、設定した方向の微細構造の溝を形成するためには、酸化チタン膜表面に対するレーザーの偏光の変化が重要である。そこで、XYステージ駆動中にθステージを駆動させ、酸化チタン膜に対するレーザーの偏光を変化させることが可能なシステムを構築した。 前述した、レーザー照射系及びレーザー照射時間・XYθステージ駆動システムの設計・製作と並行し、従来のレーザー集光システムを用いて酸化チタン膜に対しフェムト秒レーザーを集光照射し、酸化チタン膜表面に微細構造形成条件を詳細に調べた。フェムト秒レーザー照射実験を行い、周期的微細構造形成のためのレーザー照射条件を明らかにした。微細構造の周期について、レーザーフルーエンス、照射パルス数を変化させた場合の値を測定したところ、レーザーフルーエンス及び照射パルス数を適切に制御することで、レーザーの偏光に対して垂直な方向に溝を有する微細構造の形成に成功した。その際の周期は200~300 nmの範囲内であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周期的微細構造の溝の方向を自在に制御するため、レーザー照射系及びレーザー照射時間・XYθステージ駆動システムの設計・製作を行った。また、従来のレーザー集光システムを用いて酸化チタン膜に対しフェムト秒レーザーを集光照射し、酸化チタン膜表面に微細構造形成条件を詳細に調べた。フェムト秒レーザー照射実験を行い、周期的微細構造形成のためのレーザー照射条件を明らかにした。以上の結果は申請者らのグループで英語の論文(査読あり)にまとめると供に、国内外における国際会議で発表した。また、国内の会議においても多数成果を報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に設計製作したレーザー照射系及びレーザー照射時間・XYθステージ駆動システムを用いて酸化チタン膜に対し照射実験を行う。はじめに点集光のみで実験を行い、微細構造形成のためのレーザーフルーエンス及び照射回数等のレーザー照射条件を明らかにする。さらに偏光制御を行い溝方向を変化させる。また、第2 高調波および第3 高調波を用いることで、それぞれ、基本波の場合の50%および33%の周期を有する微細構造の形成が可能か明らかにする。上記システムを用い、点集光実験で得た結果を基に集光走査条件を設定する。走査とともに偏光制御することで、二次元的に溝の方向が変化する微細構造領域を作製する。局所的に溝の方向が変化する酸化チタン膜について細胞試験を行い、細胞伸展に関する酸化チタン膜の新機能について評価する。
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