2013 Fiscal Year Research-status Report
凝集性微粒子を対象にした振動場を利用するバルクハンドリング装置の開発
Project/Area Number |
25420807
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
馬渡 佳秀 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70380722)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 流動層 / 微粒子 / 振動 / 造粒 / 粒子運動 |
Research Abstract |
本年度は(1)微粒子の流動化機構の解明と(2)振動場における粒子運動の発現条件に関する研究を実施した. 項目(1)に関しては,振動を付加することによって凝集性粒子が構成する粒子層をガスチャネルの連続的に破壊することで粒子層内へのガス分散を促進し,結果として層膨張性(空隙率)の大幅な増大を促すことを見出した.凝集性粒子層への機械的振動の付加はガスチャネルの常在化を阻害することを目的とした操作であるが,振動条件(振動振幅,周波数)と流動化ガスの通気量の適切な組み合わせが良好な流動性の維持に必要であることを明らかにした. 項目(2)では,次年度に展開する造粒装置を考慮したテーパー型流動層を用いて振動付加による粒子運動特性について検証した.テーパー型流動層は主にガス通気が行われるコア部とテーパー壁面のアニュラス部でそれぞれガス流動,重力流動が支配的な流動状態となるが,振動を付加した場合,壁面の粒子移動が無振動時に比べてより低いガス通気量で発現し,かつその移動速度は大幅に増加することが示された.試験する粒子サイズを40μmから100μmまで変化させると,小粒子ではコア-アニュラスの粒子移動による交換効率が粒子の壁面付着の程度の増大により低下すること,一方で大粒子側ではコア-アニュラス間の境界が粒子時自重の増大により不鮮明になることでそれぞれ粒子移動速度の発現条件に対してより大量のガス通気量と振動強度を必要とすることが実験的に明らかとなった.しかしながら,粒子移動速度の制御が振動付加により可能であること,粒子サイズにより移動速度に変化が生じることは,それぞれ造粒プロセス時のウェット-ドライ操作の制御と造粒サイズの探知に寄与できるものと考えられる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目的である振動場の流動化特性および粒子運動特性に関しては比較的凝集性の小さい粒子を対象にした基礎実験を行い,特に粒子運動の発現条件と粒子移動特性を実験的に明らかにすることが出来た. 造粒操作を実施した場合,流動粒子のサイズ変化を伴うと考えられるため,粒子サイズと振動条件(振動周波数,振動振幅)を変化させて粒子運動特性を検討し,結果的に振動周波数が発現条件および粒子移動速度に及ぼす影響が大きくなることを明らかにした. 次年度実施予定である造粒試験についても先行的に装置設計と試験を行い,振動場における造粒操作では,無振動時に比べて分布の小さなプロダクト(造粒物)を得ることが出来ることを実験的に示すことが出来た.この点は本課題の計画にあるように次年度さらに検討を進める.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は当初計画にある通り,造粒操作における振動付加の影響を造粒物の物性から評価する.実験装置の設計および組み上げと装置運転試験は既に先行して終えているため,詳細な実験パラメーター(振動条件,通気条件,バインダー噴霧条件等)について検証する. 先行した造粒試験では約60μmの粒子を出発原料粒子としたが,本課題の目的である微粒子をハンドリング対象と出来るよう,小粒径化への展開を念頭に推進する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
造粒操作では比較的高ガス流量(200L/min以上)で操作する必要があり,粒子の小粒径化に伴い飛散粒子量が増大するため,サイクロン設備の設計・製作が必要であったが,振動装置との接続部および粒子回収部の設置条件と装置本体の接続位置との整合が現装置では調整しにくく次年度へ再設計及び製作を延期したため. サイクロンと振動装置管の接続をフレキシブルパイプを利用することで振動装置からのサイクロンへの振動伝播を防ぐことに目処が立っている.予定通りサイクロンを作成するために使用する予定である.
|