2015 Fiscal Year Annual Research Report
流動触媒層反応器の宿命的限界を突破するためのフィードフォワード制御システムの開発
Project/Area Number |
25420819
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
甲斐 敬美 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (00177312)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流動層 / 触媒反応器 / 非流動化 / 流動化停止 / メタン化反応 / モル数減少 / フィードフォワード制御 / 圧力変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学量論によってモル数(定圧定温ではガス体積)が減少する反応を流動触媒層反応器で行う場合には、宿命的に良好な流動性が得られない。本研究では工業装置において安定な運転を実現するために良好な流動性を維持した操作ができるようなフィードフォワード制御システムを提案することを目的とした。すでに、圧力変動の周波数および周期性の低下を知ることにより、非流動化が起きる可能性が高い条件になったことを検知できることを示した。さらに、一時的に温度を少し下げることによって、体積減少速度を低下させ、非流動化が起きやすい条件からシフトできることも明らかにしてきた。また、本研究で対象とした二酸化炭素の水素化反応では、一方の反応原料である二酸化炭素の供給速度を落として、水素過剰にすることによって非流動化を避けることも可能であった。今年度は、二酸化炭素の水素化によるメタン生成反応を流動触媒層反応器で行う場合にフィードフォワード制御の効果を検証した。量論比の原料ガスを反応器に供給し、希釈ガスは使用しなかったため、反応率が100%になると総モル数は60%まで低下する条件である。層下部での圧力変動をサンプリングしてリアルタイムでの信号解析より平均圧力損失、優勢周波数および信号の周期性を計算した。これらの指標のいずれかが設定したしきい値を超えた場合に制御を行った。信号の解析と反応条件の制御はコンピュータで行った。制御を入れた操作では、非流動化が起きる割合が減少した。ただし、反応温度が高い条件では反応速度の上昇によって体積減少速度も高くなり、非流動化の程度はより深刻になるため、非流動化の阻止率は小さくなった。しかし、非流動化まで至った場合でもその程度は緩和されることが分かった。これらの結果から、体積減少をともなう流動層反応器では圧力変動の変化を利用した制御を行うことによって、良好な流動状態を維持できることが示された。
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Research Products
(2 results)