2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420829
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
津森 展子 富山高等専門学校, 一般教養科, 教授 (20390437)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 金属ナノ粒子 / MOF / ナノポーラスカーボン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、大きな細孔を有するMOF であるMIL-101を、本研究室独自の合成に成功したことにより昨年度より金属化合物を担持させた金属ナノ粒子@MOF触媒を多種類合成することができた。特に2種の金属をある一定の割合で複合させると一酸化炭素の酸化反応にすぐれた活性が得られることがわかった。また、産業技術総合研究所のQi-Long Zhu氏、徐強氏との共同研究では、ナノポーラスカーボンに固定化した金属ナノ粒子触媒は、ギ酸の脱水素化反応に高い触媒活性を示し、高効率に水素を発生することを見出した。ナノポーラスカーボンMSC-30を水に分散させ、パラジウムイオン水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を加え、さらに水素化ホウ素ナトリウムで還元するこの方法で作成した試料を、TEMで測定したところ、パラジウムナノ粒子がMSC-30に高分散されていることが分かった。この触媒はギ酸の脱水素化反応に高い活性を示すだけでなく、50℃のときの触媒回転数(TOF)が、一時間当たり2623回と、非常に高いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の成果は、新しい触媒技術として革新的であったので “Sodium hydroxide-assisted growth of uniform Pd nanoparticles on nanoporous carbon MSC-30 for efficient and complete dehydrogenation of formic acid under ambient conditions”という題名で、Chemical Science (5, 2014, pp.195-199. DOI: 10.1039/C3SC52448E) において発表した。 またMOFに金属ナノ粒子を担持したものとしては“Surfactant-free Pd nanoparticles immobilized to a metal–organic framework with size- and locationdependent catalytic selectivity”という題名で、Chemical Communication (51, 2015, pp. 2577-2580. DOI: 10.1039/c4cc09139f) において発表することができた。また、これまでの成果を9月に開催された国際学会4th International Conference on Metal-Organic Frameworks and Open Framework Compounds (MOF 2014)において“Catalyst performances of porous metal organic framework-immobilized metal nanoparticles”という題名で発表し、3月にも日本化学会第95春季年会において「金属ナノ粒子触媒によるギ酸の脱水素化反応」という題名で発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も、金属ナノ粒子@MOFの合成と物性、活性評価を進め、多種類気体の同時分析が可能な流通系触媒活性評価装置を用いて低濃度一酸化炭素の酸化反応についてリアルタイムで触媒活性を評価する。特に2種の金属を複合した金属ナノ粒子について、割合や金属の種類など詳細な検討を行い、種々の例について触媒活性を調べる予定である。
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Research Products
(4 results)