2015 Fiscal Year Annual Research Report
バイラメラ空間内脱水酵素反応を利用した炭酸カルシウム中空ナノ粒子の気泡塔合成
Project/Area Number |
25420833
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉本 誠 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80322246)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体材料 / ナノ材料 / バイオリアクター / 酵素反応 / 生物・生体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
双性脂質と負に帯電した脂質およびタンパク質のアミノ基への結合部位をもつ脂質を混合して,二分子膜ベシクル(リポソーム)を調製した。このリポソームに炭酸脱水酵素(CAB)を共有結合させ,さらにカルシウムイオンを吸着させることにより,二酸化炭素含有ガスを通気した水溶液中における炭酸イオン生成反応を触媒するとともに炭酸カルシウム粒子の生成を促進した。平成27年度は,外部循環式エアリフト型気泡塔内で安定なリポソーム型触媒の調製と高効率粒子生成プロセスの開発を目的として,リポソーム膜の表面電荷と酵素結合状態に関する詳細な検討とともに,二酸化炭素濃度がリポソーム系CAB反応に及ぼす影響等を明らかにした。その結果,CABに結合する脂質をリポソーム膜に15 mol%導入した場合,他の酵素を結合させた場合に比べて,CAB分子がリポソームの表面に高密度に固定化されることを明らかにした。二酸化炭素ガス飽和水とCABを結合させたリポソーム懸濁液を種々の体積比で混合して,濁度変化に基づいて炭酸カルシウム粒子生成反応速度を測定したところ,二酸化炭素濃度が低い条件下でも,リポソーム膜表面のCABにより粒子生成反応が促進された。さらに.反応系のスケールを大きくして,リポソーム系CAB反応で生成させた粒子を回収した.乾燥させた粒子の質量に基づいて,初期に反応系に供給した二酸化炭素ガスの生成粒子内への回収率を明らかにして,二酸化炭素固定化プロセスとしての有効性を示した。平成26年度までに得たリポソームのバイラメラ化に関する知見と統合すると,エアリフト型気泡塔を用いた炭酸カルシウム粒子合成反応プロセスが構築できることを示した。
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Research Products
(6 results)