2014 Fiscal Year Research-status Report
バイオ機能3次元電極を利用する高性能バイオ発電デバイスの開発
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25420837
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷部 靖 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (20212144)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオ電池 / グルコースオキシダーゼ / グルコースデヒドロゲナーゼ / カーボンフェルト |
Outline of Annual Research Achievements |
導電性に優れ大きな有効表面積を有する微小炭素繊維(直径約7~10μm)のランダム3次元集積体であるカーボンフェルト(CF)電極表面に、グルコースオキシダーゼ(GOx)およびグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を安定かつ簡便に固定化する方法を確立した。より大きな電解触媒電流を得るための酵素固定化条件(酵素濃度、固定化溶液pH、固定化時間、緩衝液の種類)を最適化した。さらにグルコースを燃料とする酵素型バイオ電池用アノードとしての作動条件(電解液のpH、イオン強度、緩衝液の濃度および種類、測定温度)を最適化した。各種電子メディエーター(キノン系、ポリフェノール系、金属錯体系)を電解液に溶解させグルコース添加時の電解酸化触媒電流を比較した。GOx固定化CFについては、カテコール系電子メディエーターが有効であり、pH 4.0-7.0、室温条件においてグルコースに対して良好な酸化触媒電流が観察された。GDH固定化CFについては、キノン系電子メディエーターが有効であり、pH 6.0-9.0、30℃の条件下でグルコースに対して良好な酸化触媒電流が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新機能を付与した酵素-色素複合体を3次元マクロ電極であるカーボンフェルトに高い活性を保持した状態で固定化する方法を確立し、バイオ発電デバイス用電極として有用であることを明らかにした。構造安定化をもたらす有機色素と酵素の結合相互作用を分光学的に実証し、結合パラメータ(結合定数、結合数、結合様式)を算出した。この酵素-有機色素複合体固定化3D電極を用いるバイオアノードおよびバイオカソードの作製に成功し、それぞれ-0.2Vおよび+0.7V (vs.Ag/AgCl)近傍から立ち上がるアノードおよびカソード電流を観察することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階までに開発に成功した酵素-色素複合体固定化バイオ3D電極を用いるバイオアノードとバイオカソードを組み合わせたバイオ発電デバイス(酵素型バイオ燃料電池)を作製する。作動安定性、耐久性に優れ、高い出力を長時間保持するための条件(セル構造、電極配置、電子メディエーターや電解液の濃度、pH)を確立し、高性能バイオ発電デバイスを構築する。さらに燃料濃度におよび酵素阻害剤濃度に依存した発電特性の変化を指標とする自己駆動型(自己発電型)バイオセンサを開発する。
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Causes of Carryover |
研究用備品および試薬を購入した差額として、39,592円が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究用の酵素、試薬代として使用する予定である。
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