2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25420846
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高木 正平 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (10358658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺井 雅人 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (00117988)
野呂 秀太 仙台高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (30709192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 二次元後流 / カルマン渦列 / 渦列抑制 / 全体不安定 |
Outline of Annual Research Achievements |
NACA0006翼型の主流に対する迎角が浅い場合には、模型近傍の後流は層流が維持されるが、ある迎角を超えると後流の全体不安定に起因する離散的な周波数を持つ速度変動が急成長しカルマン渦列へと発展する。翼弦が40mmで主流速度が4.2m/sの条件では、臨界迎角は3.8°で、成長する攪乱の周波数は348Hzであった。そこで、迎角をカルマン渦列が十分に発達する3.9°に設定し、直径1mmの針金を模型の軸と平行に、また翼のsuction側の翼弦の75%程度離れた位置に挿入すると渦列は完全に消滅した。さらに、熱線風速計による定量計測と流れの可視化技術を用いて、針金の渦列抑制機構の解明に向けた実験を実施した。渦列が形成された模型後流の平均速度と変動強度分布に対して、渦列が抑制された後流のそれらと詳細に比較した。その結果、渦列が抑制された後流の速度分布は、針金のない流れ場の模型迎角が3.65°における速度分布と相似であることが分かった。この結果は、針金を挿入すると模型の実質迎角が0.25°減少し、逆流領域が減少して後流は全体不安定に対して亜臨界条件となることを示唆している。複素速度ポテンシャル理論によると針金の挿入による流れの方向変化は0.02°であり、実験結果と一桁以上のずれがある。しかし、針金後流の渦列を捕えた可視化画像から渦列の幅は針金直径の10程度であることから針金による流れの偏向角は妥当であることが示唆される。渦列抑制機構が解明されたことから、針金の代りに長さ2mm・厚み0.4mmの薄い平板をステッピングモータで急激に迎角を変化させることで渦列の抑制だけでなく成長を人工制御できた。この手法で全体不安定から成長する変動の時間成長率あるいは減衰率を世界で初めて計測できたことになる。理論との比較は今後の課題である。
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Research Products
(4 results)