2013 Fiscal Year Research-status Report
レーザー核融合ロケットの磁気ノズルに関するスケーリング則確立と最適化
Project/Area Number |
25420852
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 秀紀 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60112306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直嗣 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (40380711)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 核融合 / ロケット / 磁気ノズル |
Research Abstract |
核融合は宇宙推進に非常に適している。なぜなら、核融合反応では、他の化学反応や核分裂反応に比較して、単位質量あたりに発生するエネルギーが非常に大きいため高温・高速のプラズマが容易に得られる。核融合反応で生成したプラズマを、磁気ノズルにおいて磁場との相互作用を利用し(固体壁との相互作用無く)運動方向を変えることにより,推力を得ることが出来る。従って、従来の推進機では不可能な、高い排出速度(即ち高い比推力)と大きな比出力を同時に達成可能であり、核融合プラズマを利用したロケットは、画期的な高速推進システムとして非常に有望である。磁気ノズルにおいては、磁場がバネの役割をし、プラズマを跳ね返し、放出することによって、推力が発生すると考えられている。 磁気ノズル中のプラズマ挙動に関して、我々は長年にわたり数値解析により解明してきた。また、実験による原理実証を通しても解明する努力を続け、ようやく大阪大学レレーザーエネルギー学研究センターの装置(激光)を用いて、磁気ノズル中のプラズマ挙動について模擬実験(レーザー生成プラズマを使用)を行い、世界に先駆けてスラスト・スタンドにより推力を直接的に評価し、磁気ノズルが実際に働くことを証明した。 残された課題は、我々のこれまでの実験を発展させて、最終的には、実用機にいたる設計の指針となるスケーリング則を確立すること、また、推進効率の大きな最適な磁気ノズル形状を探ることである。 そのためには、強磁場中でのプラズマの振る舞いの観察が必要不可欠であるが、これまでは実験装置の制約上磁場強度を上げることが出来なかった。そこで新たに強磁場発生装置を開発し、この装置を用いて、強磁場中でのプラズマと磁場の相互作用を観察した。その結果、1Tの磁場発生に成功し、また、磁場によってプラズマの運動が制御されることを、ICCDカメラにより捕らえることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の1Tの磁場を発生した。また、磁場中のプラズマ挙動をICCDカメラ等で観察できた。 2次元流体コードを3次元ハイブリッドコードと結合することに成功し、1方向レーザー照射後のプラズマ挙動を 実験と比較できるようになった。これにより、今までの実験結果を説明できるようになった。 新しく研究に参加した2人にとも、計測装置使用法に習熟してもらった。 J. Propulsion & Powerに投稿中の論文が、掲載を認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、チャージコレクタ(電流計測装置)に流れる電流値を、シミュレーション結果と比較する等、磁場―プラズマ相互作用をさらに詳細に解析し、推進のメカニズムの解明、最適化に挑む。また、イオンバックライト法により、磁場変化を計測する装置の開発も開始する。
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